プログラマーとクリエイターの二刀流。マルチに活躍する次世代の働き方
峰島新(みねしまあらた)さんは、システムエンジニアとして働く傍ら、映像制作やWeb制作やホームページ制作、さらには画像編集やライティングといった複数の仕事をしています。ひとつの仕事だけではなく、多方面で活躍している峰島さんに、なぜたくさんの仕事をされているのか、そのチャレンジの原動力などを伺いました。
エンジニア、クリエイターと多才に活躍
現在、私は2つの仕事を柱としています。1つ目は、正社員でシステムエンジニアとしての仕事です。現在は損害保険業界で、自動車、火災、傷害保険の新種保険の申込みサイトの製作や内部設計、開発、単体テストを担当しています。契約はSES(準委任契約)で、一定の契約期間終了後に次の現場へ移行します。
2つ目はフリーランス(副業)としての映像制作、Web・HP制作、画像制作、
ライティングといったクリエイティブなお仕事です。現在はペットの紹介ムービーや、某企業様のHPの改修、さらにはスイーツの老舗のお店向けの記事の制作など、ひとつのものに特化せず、幅広く行っております。
元々、新卒での就職活動の際にさまざまな職種の会社を受けました。営業職のように人と関わる仕事に就くか、システムエンジニアのように技術を磨いていくような仕事に就くか漠然と悩んでいました。
当時はまだ自分の適性が分からず、職業訓練センターなどに通いながら自分に合ったお仕事がどのようなものか模索していたのですが、そこで偶然にも後に新卒で働く会社の役員の方とお話しする機会がありまして、その方から映像編集や開発の仕事について話を聞き、高校生の時から趣味で映像制作をしていた私は、仕事にしてみたいという思いが芽生えました。
しかし、実際に入社して最初に配属されたのはシステム開発の部署で、希望していた映像制作の仕事に携わることができませんでした。そこで最初に取り組んだのは、プログラミング言語のコードを書くのではなく、UiPathという開発未経験者がノンプログラムコードで開発をする事ができるソフトでフローチャートを作成しておりました。その後、実際にコードを書く仕事に移行し、後にVBAやPython、Java、SQLを学びました。
開発部署で数年間の経験を積んだ後も、映像制作に携わりたい気持ちは変わらず、結果、その会社で念願の映像制作の仕事を担当させてもらえるようになり、その後、Webや画像制作といった、本格的にクリエイティブなお仕事に携わる機会をいただくようになりました。この仕事への挑戦意欲が、さまざまな会社や取引先と関われる今の働き方の基となっていると思います。
視覚で伝える映像の魅力
映像編集という仕事は、実物の映像を通じて情報を伝える作業です。自分自身が見るだけでなく、第三者にもリアルタイムに届けることが重要です。文字や口頭で伝えるだけでは不十分な場合もあり、映像を使うことで現実に近いイメージを伝えることができます。
映像は、文章だけでなく図形や写真を駆使して、視聴者に情報を届けるための強力なツールであり、必需品でもあります。私の映像編集は、視聴者に真実を伝えるための大切な手段だと考えています。
映像編集の魅力は、創造力とセンスが問われる点にあります。思い描いたイメージを形にして作品を作り上げる過程が楽しさにつながり、完成された作品が視覚的に形に残り、記録として保存されることは非常に大きなメリットです。自分の創造力を最大限に発揮できるので、未経験者にもおすすめの仕事だと思っています。
私は興味のある分野には積極的に挑戦するタイプで、仕事だけでなく趣味でもさまざまなことに取り組んできました。人からおすすめされたことを積極的にやってみて、それがきっかけで新たな趣味や仕事につながることもあります。
未経験でも挑戦できる環境づくり
ITやクリエイティブ業界で様々な職種を経験してきた私が感じるのは、未経験者や新人に対するサポート体制が整っていないことです。特に、初めて業界に入る人々にとって、現場での適応は非常に難しいものです。
私自身も新卒で入って間もない時に「2週間で使えるツールを作ってくれ」と、厳しい納期を課されることがありました。同じような経験をしている方もたくさんいると思うので、未経験者向けのレクチャーやサポートが重要だと強く感じています。
クリエイティブな仕事は、技術だけでなく体力やメンタルの消耗も激しいです。地方ロケやコンテンツ制作での打ち合わせなど、さまざまな要因が重なり、未経験者には大きな負担となります。
また、ITエンジニア業界でも日本では未経験の人が圧倒的に多く、環境の整備が必須だと考えています。私が今年から始めているプロジェクトでは、未経験者に対して、ITやクリエイティブ技術をレクチャーする場を設けることを目指しています。
人に物事を教える際には、抽象的な説明ではなく、具体的で分かりやすい伝え方が重要です。曖昧に伝えることで認識の齟齬が生まれ、仕事においてヒューマンエラーを引き起こすことも少なくありません。
自分と相手が認識している当たり前が異なることもあります。丁寧に説明して、相手が納得するまでサポートすることが大切だと感じています。特に未経験者に対しては、短時間で端的に、かつイメージしやすいように説明することを心掛けています。