30以上の多彩なキャリアを持つカウンセラーが語る「令和時代を生き抜く心の持ち方」

石倉 明代

石倉 明代

2024.07.19
column_top_IshikuraAkeyo

画家、作家、カウンセラー、プロデューサーと幅広い肩書きを持つ石倉明代(いしくらあけよ)さん。イギリスでの留学経験を持ち、帰国後はメディア業界やホテルコンシェルジュなど30以上の職種に携わりました。多種多様な経歴を持つ石倉さんに、アグレッシブな行動の源泉についてお話を伺いました。

イギリス留学後、さまざまな仕事を経験

見出し1画像_嶋村吉洋社長が主催するワクセルのコラム_石倉明代さん_イギリス

子どもの頃から海外に行きたいと思っていたので、高校を卒業してすぐにイギリスに留学しました。それから7年間、日本とイギリスを行ったり来たりしていたのですが、家庭の事情が変わって日本に戻ることになったのです。

自分も企業に勤めて働かなければならなくなったのですが、「働きたくない」という気持ちが強かったので大変でしたね。当時は終身雇用の時代で、きちんと企業にお勤めするのが正しいとされていたのですが、どこに行っても私には合いませんでした。

ただ好奇心は人一倍あるので、面白そうと感じた仕事を選んでいました。事務などは苦手でしたが、人と接するのが好きなので営業の仕事を好んでやっていました。他にもメディア業界やホテルコンシェルジュなど、これまでに携わった職種は30以上になります。カウンセラーになりたいという気持ちもあったので、心理学の基礎も勉強しました。

トライ&エラーを繰り返して進んでいく

見出し2画像_嶋村吉洋社長が主催するワクセルのコラム_石倉明代さん_カウンセリング

子供の頃はデザイナーを夢見て、絵を描くことが大好きでした。学生時代には油絵に取り組み、芸術の都パリへの憧れからフランス語も学びました。文章を書くことには興味がありませんでしたが、ある日突然、文章が書きたくなったことがありました。それまであまり本を読まなかった私ですが、サスペンスや2時間ドラマが好きだったこともあり、その影響も受けて小説を書き始めることにしました。

そこから脚本家の仕事にも興味を持ち、テレビ業界で情報番組の企画に関わったこともあります。プロデューサーの仕事につながるご縁ができたのもこの頃です。普段からさまざまなことにアンテナを張っていますが、最近では浮世絵に興味を持っています。伝統的な日本画を、点描画やデフォルメタッチでできないかと、新たな可能性を探っています。

若い頃の私は、もっと気が小さくて臆病だったと思います。失敗することや恥をかくことをいつも恐れていました。しかし、年齢を重ねるにつれ、「まあいっか」という心の余裕が生まれてきました。いろいろとチャレンジして経験を積んできたことが良かったと思います。「恋愛もトライ&エラー。まずやってみて、ダメならそれでいい」という親友からの言葉が、私の人生観を変えたひとつのきっかけになっています。

今ではカウンセラーとしてたくさんの人と接していますが、「ダメだったらどうしよう」と悩んでいる人がたくさんいます。多くの人が挑戦を恐れ、行動を起こせずにいます。でも令和となった現代は多様性に富んだ時代なので、「ダメだったらまた次」とすぐに切り替えてやっていくことが大事で、カウンセリングではいつもそう伝えています。

周りに合わせ過ぎず、自分の感情に向き合う

見出し3画像_嶋村吉洋社長が主催するワクセルのコラム_石倉明代さん_友人

たとえば「今日は何を食べたい?」と聞いたときに、周りの人が「昨日はラーメンだったから今日はパスタにしなよ」と言ってくれたとします。でも「昨日ラーメンだったけれど今日もラーメンを食べたい」という日もあるかもしれません。そういうときにラーメンを選べるかどうか。実際に行動に移さなくても、自分の本当の気持ちはラーメンだと思えること、自分を認めてあげることが大切だと思います。

日本の社会では、周囲に合わせることを求められることが多いです。しかし、そのなかでも自分の感情をしっかり認めてあげることが大切です。たとえば何かに腹が立ったとき、「自分が怒っている」ということを自覚して、認めることです。その感情を直接相手にぶつけるとトラブルになりますが、自分の内側では感情を受け止めることが必要なのです。

私もかつては「いいカッコをしたい」と思っていましたが、今では自分の気持ちを素直に認められるようになりました。仕事には多くの種類がありますが、固定観念にとらわれずに挑戦してみると、意外と色々なことができるようになると思います。