余命1ヶ月の大切な人の大切な人

高橋まゆこ

高橋まゆこ

2026.04.03
column_to_TakahashiMayuko

モンテッソーリクッキング®代表として、食を通じて子どもの生きる力を育む高橋まゆこさんの連載コラムです。講師の身内に訪れた余命宣告と別れ。そのときチームが取った行動は、マニュアルを超えた「他者への想い」に溢れていました。仕事における責任と、大切な人への寄り添い方に正解はあるのでしょうか。自律して動く組織の在り方に悩むリーダーだけでなく、誰かを支えたいと願うすべての人へ贈る、信頼と絆の記録です。

先日、モンテッソーリクッキング®︎を支えてくれている講師の一人、祥子先生のお父様が亡くなりました。余命1ヶ月の宣告を受けていた時点で、祥子先生からはお話は聞いていましたが、祥子先生はいつもと変わらず、和歌山のモンテッソーリirodori親子幼児教室も、幼稚園の課外クラスも全て続けてくださいました。

「大人のモンテッソーリ」が体現された、揺るぎないプロの誇り

見出し1画像_嶋村吉洋社長が主催するワクセルのコラム_高橋まゆこ_プロの誇り

ここからお話することは

正解、不正解

のお話ではありません。誤解なく読んでいただけたら幸いです。

ジャッジをすることではないので、あくまで、私個人の感謝の想いを今回、この場を借りて綴らせていただきます。

お父様が亡くなったと連絡をいただいたとき、

私をはじめ、和歌山の講師仲間はみんな、全てを自分たちが「担います」と言う言葉をかけました。

そして、実際に、みんなすぐに次の幼稚園クラスに向け動き出してくれました。

本当に素晴らしいチームです。

私がいなくても、みんなで役割分担をし、子どもたちを安全に預かれる環境を整える準備にすぐ入ってくれました。

ハッキリ言って

休む

と言う選択肢がなかったわけではないです。

「メイン講師が忌引きでレッスンができない

どうしたらいいですか?」

代表の私に投げかけてくることが、もしかすると一般的なお仕事では当たり前かもしれません。

ですが、

祥子先生は、きちんと準備を整えてくださっていました。
モンテッソーリクッキング®︎は継続が力なり。
繰り返しのレシピに意味がある。
だから、祥子先生の中でも、子どもたちの発達の機会を止める選択肢はありませんでした。こうなったとき、荷物や道具をどうするか、全てシュミレーションしてくれていました。全て自分で考えて。子どもも大人も困らないように。

的確に和歌山の講師仲間に連絡事項を伝えて
それにみんなは的確に動く。

自ら、役割を把握し、他者を想い動く。

ああ、、

モンテッソーリを学ぶ集団だ、、と改めて実感しました。

大人のモンテッソーリの環境がここにある実感

が確実にした瞬間。

いつもはそれぞれ個で働いていても、

いざとなると一致団結する理想型が、小さな世界で、今も私の目の前で動いています。

響き合う「他者への想い」!一致団結するチームと父への感謝

見出し2画像_嶋村吉洋社長が主催するワクセルのコラム_高橋まゆこ_他者への想い

そして

祥子先生は、ご自身の生徒様への連絡、振替、園への連絡、私がするとお伝えしても、

責任感と、きっと一人一人に対する祥子先生にしかわからない想いを届けるため、全てご自身でしてくださいました。

それが祥子先生の愛情表現なのかもしれません。

今回、私が出る幕は一切ありませんでした。

でも、「まゆこ先生が後ろについていてくれるから恐れることなく動けているのだと思います。」と言ってくださった言葉がまた、モンテッソーリクッキング®の先生のお人柄を表してもいました。

私はこのモンテッソーリクッキング®のチームを尊敬しています。

モンテッソーリは個を尊重する教育法ですが、個を尊重してきたその先にはこのチームのように集団で他者を思いやる社会性へと繋がります。

目の前の大人たちがこの行動をしていれば、子どもたちがそうなることは必然で、

来年、生徒様から初めての高校生が誕生するのですが、彼は春には幼稚園クラスのアシスタントとして働いてくれることになっています。

正直、来年以降講師の数が足りているとは言い難い状況ですが、こうして

「ママを助けたい、先生を助けたい、という他者を想う心」から彼にこの行動を起こさせてくれているのだと思ってもいます。

その彼のママが、今回祥子先生に代わりメインを引き受けて動いてくれたマイ先生です。

そのマイ先生を支えてくれたのは、今、大きなおなかを抱えながらも材料調達という労力を伴う責任を果たしてくれたハナコ先生。そして、この緊急事態でも来てくださる生徒様のためにとご家庭のみかんを自ら子どもたちにお土産に持たせてくれたナナ先生。

我が子の懇談会の合間を縫ってレッスンにかけつけてくれたケイコ先生。

そして、みんなが支えたいと思える

そんな娘に育て上げられた祥子先生のお父様に、

私は改めて感謝の気持ちでいっぱいになっています。

祥子先生を育ててくれてありがとうございますと、自慢の娘さんですよ、と、お伝えしたくてこれを書いています。

お父様、安心して、天国でも鼻高々に過ごしていただきたいと思います。

ご冥福をお祈りいたします。

「人を信じる」の先に!正解のない働き方と寄り添い

見出し3画像_嶋村吉洋社長が主催するワクセルのコラム_高橋まゆこ_人を信じる

もしかすると、何かを起業されている方は、こんなチームを作りたい!と思っているけど、なかなか自ら考えて動いてくれない。。。なんて場面があるかもしれません。

私も長い人生、傷だらけにもなってきていますが、人を信じることだけはあきらめたくなく今に至ります。生きていたら騙されないなんてことはあり得なくて、たくさんのウソにも遭遇してきましたが、それでも、子どもたちと、先生たちのことは何があっても信じると決めてこの仕事をしています。

信じていればこんな景色が見れるのだと実感させてくれた出来事でした。

モンテッソーリは生涯学び続ける人間を育てる教育法です。

まだまだこのチームも伸びしろがあると思っていますので、モンテッソーリクッキング®を末永く応援してください。

最初に書いた通り、働き方そのものに

正解はないです。

大切な人の大切な人

大切な想いの形も色もみんな違う。

だから

悲しい人

苦しい人

に寄り添うことしかできなくて

その人がやりたいように、

したいようにすることを

受け止めて寄り添って

力になることしかできない場面がたくさんあると思っています。

子育てはじめ、何かを育てるという命を目の当たりにした場面に

(これは会社を育てるという意味でも)

こうするべき

こうあるべき

はないと思っています。

表面上では何もわからないから。

真の部分は

当事者にしかわからないものですよね。

だから

これを読んだ講師の先生や、お仕事をされているみなさん、これから講師になりたいなぁと思てくれっている方が

大切な命を目の前に

完璧に責任を全うしてくださいって話ではないのです。

何もできないならば、何もしなくてもいいのです。

みんなそれぞれの生き様が

彩りとなる世の中になりますように。

優秀になるのではなく

みんなが隣の人に優しくなれたらそれでいいのだと思っています。

今日も大切な人が生きている奇跡に

心を向けて良き一日を。