地域のごみから、学びと価値を生み出す

星田 暁

星田 暁

2026.03.17

こんにちは。星田 暁です。私は一般社団法人ユニオン代表理事を務め、アクティブシニアコミュニティの運営や理学療法士、社会福祉士の資格を生かして地域の方々の健康増進や多世代交流を目的とした教室やイベントを開催しております。今回は地域の子供たちとの活動をご紹介します。

杉田小学校6年生と取り組むアップサイクルプロジェクト

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普段はアクティブシニアのコミュニティ運営を中心に、多世代が交わる場づくりに取り組んでいますが、世代を限定せず、地域の中で人が育ち、関係が生まれていく仕組みをつくることを大切にしています。

その延長線上にあるのが、子どもたちが地域や社会と直接つながる機会をつくる取り組みです。

学校の中だけで完結する学びではなく、地域という「リアルな社会」の中で体験し、考え、挑戦すること。
そこに、これからの時代に必要な学びがあると考えています。

今回取り組んでいるのは、杉田小学校6年生とのアップサイクルプロジェクトです。
地域で集めたごみを素材に、価値ある商品へと生まれ変わらせる挑戦です。

このプロジェクトは、杉田小学校の大久保先生との出会いから始まりました。
「これからの時代、学校の外での体験が子どもたちの成長に直結する」
そう考える先生の想いと、地域で清掃活動を続けてきた私の活動が重なり、この取り組みが動き出しました。

ごみ拾いから始まった探究

見出し1画像_嶋村吉洋社長が主催するワクセルのコラム_星田暁_ごみ拾いから

活動のスタートは、地域のごみ拾いでした。
街を歩き、実際に手を動かす中で、子どもたちから出てきた言葉があります。

「これ、何かに使えないかな?」

最初に出たアイデアは、「ごみからTシャツを作りたい」というものでした。
自分たちらしく、前向きな発想だったと思います。

しかし同時に、こんな問いも生まれました。

「それは本当に地域の人の役に立つだろうか?」

そこから、プロジェクトの視点は少しずつ変わっていきました。

子どもたちは
「本当に地域に必要なものは何だろう?」
という問いを持ち、街へ出てヒアリング調査を行いました。

子育て中の親御さんや高齢者の方、学生さんなど、
さまざまな世代の声を聞く中で、

「住んでいる場所」だった街が、
「対話のある地域」へと変わっていきます。

自分たちが作りたいものではなく、
地域にとって意味のあるものをつくる。

その結果たどり着いたのが、

・生活の中で使えるコースター
・身につけられるアクセサリーやキーホルダー

といった、暮らしに寄り添う商品でした。

さらに、それらを地域のイベントで販売し、
得た収益を地域に還元するというアイデアへと発展しました。

「子どもが作ったから」ではなく

見出し2画像_嶋村吉洋社長が主催するワクセルのコラム_星田暁_子どもが作ったからではなく

制作の初期段階では、完成度は決して高くありませんでした。
うまくいかない。思い通りにならない。

それでも子どもたちは、
自分たちで調べ、試し、改善を重ねていきます。

このプロジェクトで一番大切にしていることがあります。

「子どもが作ったから」
「環境にいいから」

そういった理由だけで評価されることを目指さないことです。

クオリティが高いから選ばれる。
その商品が、結果として地域のごみを再生したものである。

この順番こそが、持続可能性につながると考えています。

一人ひとりの強みが活きる分業

見出し3画像_嶋村吉洋社長が主催するワクセルのコラム_星田暁_強みが活きる分業

制作工程は決して単純ではありません。

・ペットボトルキャップを切り分ける
・溶かして形成する
・レジンで仕上げる
・アイデアを設計する
・活動をプレゼンする

その中で自然と役割分担が生まれていきました。

ものづくりが得意な子。
発信が得意な子。
全体をまとめる子。

「みんな同じ」ではなく、違いを前提に協力し合う姿は、組織づくりの本質を見ているようでもありました。

教育と地域が重なった瞬間

見出し4画像_嶋村吉洋社長が主催するワクセルのコラム_星田暁_教育と地域が重なった瞬間

大久保先生は、
「最初はクラスとしてのまとまりも十分ではなかった」と振り返ります。

しかしプロジェクトを通して、
一人ひとりの違いを認め合う空気が育ち、
クラスとしての一体感が生まれてきたといいます。

子どもたちの素直さと行動力。
そして大久保先生を始めとする杉田小学校の先生方の教育にかける強い想い。

それらが重なり、この取り組みが形になっています。

卒業後も続く学びへ

見出し5画像_嶋村吉洋社長が主催するワクセルのコラム_星田暁_卒業後も続く学びへ

この取り組みを進めることができたのは、
大久保先生をはじめ杉田小学校の皆さま、
そして日々活動を支え、見守ってくださった親御さんの存在があってこそです。

先日、三井アウトレットパーク横浜ベイサイドで、子どもたちが制作した商品の販売会を行いました。自分たちの手で生み出した商品を多くの方に知っていただく機会は、子どもたちにとって大きな自信と励みになったと思います。

また、地域のごみが新たな価値へと生まれ変わる過程を伝えることで、身近な環境問題に目を向けるきっかけにもつながったと感じています。

「街をきれいにしたい」
「自分たちの地域を大切にしたい」

そうした当事者意識が広がることで、
誇りと愛着の持てる地域が育っていく。

この活動が、その一歩になれば嬉しく思います。

一般社団法人ユニオンとして、
これからも教育と地域が交わる実践を重ねていきます。

そして、同じ想いを持つ企業や団体の皆さまと共に、地域に新しい価値を生み出していきたいと考えています。

一般法人ユニオンの活動に興味をお持ちの企業・団体の皆さまは、ぜひホームページまでお問い合わせください。

https://union-activesenior.com/

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