ボランティアの実体験から生まれた“おもてなし”の心で日本を癒すVTuber

黒枠はすみ(Vtuber)

黒枠はすみ(Vtuber)

VTuber(Vチューバー)の黒枠はすみ(くろわく はすみ)さんは、広い世代に向けて日本の「おもてなしの心」の大切さを発信し、社会がより良くなることを願って活動を続けています。日本の倫理観を広めようと思ったきっかけやVTuberになった経緯、今後の展望について伺いました。

これまでのボランティア経験から日本の美徳を伝える

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――まず、普段はどんな活動をされているのでしょうか?
日中はWeb制作会社で働きながら、VTuberとしてSNSやYouTubeで発信しています。みなさんを少しでも元気づけられる存在になれたらと思い、「おもてなし系VTuber」として日々活動中です。

――発信のテーマとして、特に力を入れている分野はありますか?

投稿では、教育や生き方にまつわる内容に力を入れています。若い世代になじみのあるSNSやVTuberが、学校では教わらないけれど生きていく上で大切なことを発信することで、メッセージが届きやすくなるのではと考えています。

――黒枠はすみさんの“ミッション”を一言で表すと?

私のミッションは「日本を倫理国家にする」ことです。

――かなり大きな目標ですね。そこにはどんな想いがあるのでしょう。

日本はもともと倫理観にあふれ、海外からも高い評価を受けている国です。その倫理観を言語化し、具体的にどういうことなのかを体感していただくことで、「日本に生まれてよかった」と誇りを持ってもらえたらうれしいですね。

――アバターも印象的ですが、どんなコンセプトなんですか?

私が使っているアバターは、人に寄り添う水蓮(睡蓮・蓮)が擬人化したキャラクターになっています。

――活動のキーワードが「おもてなし」とのことですが、原点はどこにありますか?

以前所属していたNPO法人市川子ども文化ステーションでは、地域のボランティア活動として参加していました。その中で、自分がやりたい慈善活動のスタイルが明確になり、独立して地元で「おもてなし研究同好会 すはだクラブ」を立ち上げ、活動することになりました。

――そこから、なぜVTuberという形に?

コロナ禍でオフラインイベントが難しくなり、仕事でもプライベートでもオンライン通話が一気に広がりました。同じ頃、VTuberとして活躍している方々の存在を知り、その姿に憧れて「自分もVTuberとして情報発信をしてみよう」と決意しました。地元でこじんまりと行っていたおもてなしの発信を、オンラインを通じて全国に広げられると感じたからです。

趣味のゲームからデザインを基にして、未経験から独学でVTuberに

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――「黒枠はすみ」という名前が気になります。由来を教えてください。

「黒枠はすみ」というVTuber名は、一部のゲーム好きには思わずニヤリとしてもらえる名前にしました。私自身、カードゲームや格闘ゲームが大好きで、とある高額カードの要素から名前を考案しました。

――VTuberを未経験から始めるのは、技術的なハードルも高そうですが…。

始めた当初は分からないことも多く、技術的な難しさを感じました。パソコンにある程度精通していないと、難易度は一気に上がりますし、アバターを自作する人もいれば、イラストレーターやモデラーに依頼する人もいます。

――具体的には、どんなスキルが必要になりましたか?

完成したキャラクターをソフトウェアに読み込み、自分の動きと同期させ、仮想カメラで配信画面に映し出すなどですね。VTuberならではの一連のスキルも、試行錯誤しながらも楽しく身につけてきました。

オリジナルのおもてなし理論で、みんなが生きやすい日本に

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――配信等ではどんな相談が多いのでしょう?

実は、雑談配信などをしていると恋愛に関する相談がとても多い傾向にあります。次に多いのが、引きこもりの子どもをどう外に出してあげるか、いじめを減らすにはどうしたらいいかといったテーマに関する相談です。

――かなり社会的なテーマも扱われているんですね。

はい。また、詐欺や悪徳商法への対処法・回避方法についても、できる範囲で情報をお伝えしています。相談してくださる方は、SNSで私を見つけてくれた方や、地元で一緒にボランティア活動をしていた時のメンバーからの紹介など、さまざまです。

――「研究」という言葉が出てきましたが、具体的にはどんな研究を?

研究施設などを持っているわけではないので、どちらかという探究に近いですが笑

「おもてなし研究同好会 すはだクラブ」創設以降、よりおもてなしの研究に力を入れており、数年前に『おもてなし会話の基礎理論』というオリジナルの理論を完成させました。いつかこのロジックや「すはだクラブ」の深い意味を、書籍や絵本いう形で世に出せたらいいなと思っています。

――今後の展望を教えてください。

今後もVTuberとして発信を続け、「倫理観」という言葉がもっとポジティブに語られ、一人ひとりが自分なりの道徳心を持って社会生活を送れるようになることを目指しています。活動を続けていけば、次世代の人たちが「日本っていい国だよね」と胸を張れる未来につながると信じています。

――最後に、黒枠はすみさんが目指す「倫理国家」とは、どんな社会でしょう?

世界的に見ても日本は少し特殊な国として一目置かれ、その良いところを前面に出すことができれば、私の理想とする社会像に近づきます。支えが必要な人や、ハンディキャップのある人が生きやすい社会こそ、私の考える「倫理国家」です。

成功している人ほど“支える側”に回り、互いに助け合える社会になっていってほしい。その一端を、おもてなしとVTuber活動を通して担えたらと思っています。