宮崎発・青パパイヤ革命|パパイア王子が描く未来

岩本 脩成

岩本 脩成

2025.11.02
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宮崎県新富町の畑から生まれた「パパイア王子」さん。未熟果・青パパイヤの可能性に魅せられた一人の研究者が、健康と地域、そして未来をつなぐ新たな挑戦を始めました。“特別なことをしない健康”を掲げ、宮崎から全国、そして世界へ。今、静かに広がる「青パパイヤ革命」の物語が動き出しています。

未熟果がひらく、青パパイヤの未来

見出し1画像_嶋村吉洋社長が主催するワクセルのコラム_パパイア王子岩本 脩成さん

青パパイヤは、まだ熟す前の“途中の果実”。
けれど、その未熟さには、未来を変える可能性が詰まっている。
宮崎県新富町で育つ青パパイヤは、栽培期間中農薬不使用で、
一つひとつ丁寧に手摘みされる。その果実には、自然の生命力と、人の手のあたたかさが共存している。

完熟のような華やかさはない。だが、「未完成だからこそ、伸びしろがある」。

この果実は、そんな哲学を私たちに教えてくれる。
青パパイヤに豊富に含まれるとされる酵素や栄養成分は、

 “健康を特別なものにしない”という、
パパイア王子のブランド理念と深くつながっている。

朝の寝起きの一杯にグリーンパパイア酵素ティー、昼のサラダを彩るグリーンパパイア酵素ドレッシング、夜に飲むグリーンパパイア酵素シロップソーダ割りの一杯。
ほんの少しの手間で日常に溶け込む。
その“続けられる健康習慣”こそが、
パパイア王子の提案する“静かな革命”なのだ。

青パパイヤは、作る人にも希望を運ぶ。
地球環境にも配慮したサステナブルな製法で、規格外の果実や未利用部位も活用し、
新たな価値を生み出す。

自然にも人にもやさしいこの循環が、
宮崎という土地から“新たな価値”を根づかせていく。

研究者から王子へ——誕生の真実

見出し2画像_嶋村吉洋社長が主催するワクセルのコラム_パパイア王子岩本 脩成さん

「パパイア王子」こと岩本脩成(いわもと しゅうせい)氏は、
かつて再生医療の研究者だった。
幼少期に腎臓病を患った経験が、
人の健康に寄り添いたいという思いの原点となったという。
大学では生命工学を学び、iPS細胞などを扱う研究にも携わった。

だが、研究の最前線にいるうちに、
「病気になってからでは遅いのではないか?」という疑問を抱くようになる。
もっと身近なところで、人々の健康を支えたい——日常でできる健康づくりに取り組みたい。その思いが彼を、白衣の世界から畑の世界へ導いた。

2019年、故郷・宮崎に戻った岩本氏は、
宮崎県新富町で青パパイヤと出会う。 

それまで全く見たこともなかった、可能性を大いに秘めた作物。
それが、青パパイヤであった。その力強く育つ姿に惹かれ、
「この作物の魅力を、人々の日常から広めていきたい。」と心に決めた。

岩本氏は研究者としての分析力を活かし、青パパイヤの栽培環境を調べ始めた。
宮崎は温暖で日照に恵まれ、霜が少ない。
この気候は熱帯原産のパパイヤに非常に適しており、
安定した生育と品質の維持を支えてくれる。

現地農家と協力しながら、露地で農薬を使わない栽培方法を確立。
畑ごとの土壌・潅水・収穫時期をデータ化し、再現性を高めていった。
気候と科学的アプローチを掛け合わせ、青パパイヤ本来の個性を引き出す。
この“現場と理論の融合”こそが、パパイア王子の原点である。

ブランド名「パパイア王子」は、
誠実さの中にも軽やかさを添えるためにつけられた。
健康やサステナブルを深刻に語りすぎず、
親しみと希望を持って伝えるための象徴だ。

こうして、「パパイア王子」は生まれた。
科学と畑、人と地域、日常と未来をつなぐ存在として。

宮崎から世界の食卓へ、静かな革命を

「パパイア王子」の挑戦は、宮崎県内にとどまらない。
ブランドの原点にあるのは、“宮崎から育て、宮崎から広げる”という信念だ。

青パパイヤの栽培が行われている宮崎県新富町では、
農家との協働体制を築きながら生産拡大を進め、
県内のスーパーや道の駅、ホテルなどへ販路を広げている。
観光客や地元の人々が「宮崎の新たな産品」として手に取ることで、
“身近な健康の象徴”として少しずつ浸透してきた。

その動きは、県外にも広がっている。
首都圏のナチュラルフードショップやオンラインストアでの販売、
ふるさと納税を通じた全国発送など、
宮崎の青パパイヤを“日常の選択肢”へと変える試みが続く。
SNSで発信される日々のストーリーやレシピも共感を呼び、
これまで青パパイヤを知らなかった人々の関心を惹きつけている。

そしていま、海外への挑戦も静かに始まった。
シンガポールやアメリカなど、健康志向とサステナブル消費が進む地域へ、
酵素ティーや酵素シロップが出荷されている。
「自然の力をそのまま届ける日本ブランド」として評価され、
小さな一歩ながら確かな手応えを得ている。

青パパイヤという果実が、
農業と健康、地域と世界をつなぐ架け橋になりつつある。
岩本氏は語る。
「私たちは、ブームではなく文化をつくりたい。
“続けられる健康”が宮崎から広がっていく未来を信じています。」

その言葉どおり、王冠のマークは完成の証ではなく、挑戦の途中に掲げるシンボルだ。
宮崎の青パパイヤが、全国へ、そして世界へ。
静かに、しかし確かに、“パパイア革命”は広がっている。

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