英語ができる子どもを育てるための家での習慣

久山 絵里

久山 絵里

2025.09.12

久山 絵里さんは株式会社フレンズの代表を務めています。高校卒業後、印刷工場で勤務していたところから、人生を変えるべく英語力ゼロの26歳のときに、オーストラリア一周一人旅を経験されました。帰国後、大手英会話教室の勤務を経て30歳で「フレンズ英会話」をスタートしました。そんな久山さんが英会話を習得する方法について書かれたコラム連載の第10弾です。

英語教室を経営して15年、育児歴は8年目の今ですが、自分なりに実践してきたこと、教室の生徒親子さんがやってきたことで、いいなと思うことを書いていきます。

そもそも「英語ができる子ども」って、どんな子のこと?

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「この時代、とにかく英語だけはできたほうがいいよね」と思う親御さんは多いですが、それ、どれぐらいを想像しているのでしょう。

英語教室のテレビCMのような「I want to be an astronaut!」なんてフレーズをペラっと綺麗な発音で言えると、ペラペラなのでしょうか。英語での劇ができたらいい? 学校の英語の授業についていけたらいい? 英検2級レベル? それともネイティブレベルを求める? 

考え方はいろいろだと思いますが、とにかく私は「座学ではない」と言いたい。読解だけができるのでも、暗記した文章が読めるのでもなく「英語でコミュニケーションができること」が英語ができる子なんだ、と言いたい。

では実際に、英語ができる子を育てるために、私と周りの方が実際にやってきたことを紹介します。

①英語の環境をつくる

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英語ができない親でも、環境は作れます。ポスターを貼ったり、映画を観たり、洋書の絵本を買ってみたり、地球儀を置いてみたり。

でもそんなことでわが子がペラペラに?と疑ってしまう人もいると思います。

それは、画面に出てくるリンゴの絵をタップしたら音声が出て、子どもも apple! と言っている…みたいな、すぐに期待する結果が出る感じがしないからでしょうか。

家に漢字のポスターは貼っていませんか? そこに国語の成績爆上げ!を期待していない。でも、毎日見てると何となく学んで覚えているように感じる…それと同じだと思います。

②親が英語に興味をもつ

親が「ママはね~、英語めっちゃ嫌いやけど、アンタは将来要ると思うから頑張りなさいよ」では説得力に欠けます。子どもに「将来要る」は全く理解不可能ですし、これでは子どもも英語嫌いになりかねません。

逆に親が好きなことは、子どもも好きになりやすいです。逆に、最近では「娘の影響で韓国の歌手が好きになった」というママも沢山いますしね。身近にいる人の影響は、大きいです。

③毎日やる習慣をつける

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これは我が家で現在実践中のことで、周りの生徒さん親子にも推奨していることですが「毎日する」習慣づけをすること。我が家では朝学校に行く前に、読み書き教材を1ページはやることにしています。学校がない日はやらないでいいなど、時には手を抜くユルさも忘れずに。長い目で見て、継続できる工夫が必要です。

④英語に触れる機会をつくる

英語教室に通う、マインクラフトを英語でやる、空港など外国人が沢山いそうな場所に行ってみるとかもアリでしょうか。海外の人を見る・英語で話している人たちを見るだけでも、大きな刺激になりそうです。

⑤親がまず恥ずかしがらず話す

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親は何もペラペラでなくても良くて、親がまず恥ずかしがらずに英語を話す、という背中を見せることが大事かなと思います。親が恥ずかしがっていては、子どももそうなってしまいます。親も間違え、訂正し、一緒に英語に取り組み、上手になっていくのって、楽しくないですか♬

⑥英語を「当たり前」にする

英語はコミュニケーションのツールであり、ただの言語です。「英語で何をするか」が本来大切です。

だから、英語を学ぶだけでなく、英語を「使うこと」。そしてそれを自然にできるようになれば、最強です。日本で生まれた赤ちゃんが、たった4歳や5歳で日本語が話せるようになるみたいに。

確かに日本では自然に英語が飛び交う環境を作るのは難しいですが、愚痴っていても何も変わりません。自分にできることを、やるだけです。

⑦無理やり子どもに言わせない

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英語を使う場面を増やそうと「ホラ英語で何か言って?」とか「今日習った単語、書いてみて?」など「テスト」しないよう気をつけましょう。テストが好きな子は少ないです。

英語で話している我が子を見たいという気持ちも分かりますが、そこはちょっと辛抱。「評価しない」のも、継続する秘訣のひとつかと、私は思います。

⑧教育機関に、丸投げしない

私の教室でも、親次第で子どもの英語力が違ってくる、というのを感じます。それは親の英語力、ということではなくて、伴走者として見守れているか、ということ。

ダイエットのコーチにやり方を教わるだけでは痩せない、それと一緒です。やるのは自分。そして子どもにはサポートは絶対に要りますから、親の伴走は不可欠です。

時には「英語やめたい…」という悩みも聞きますが、そこをどうするか、は親次第。嫌がる子どもに無理に継続させるのも違うかもしれない。ココは踏ん張り時かもしれない。先生に相談してみる? わが子を一番知っている親しか解決できない問題もあると思います。

⑨長い目で見られる

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当たり前ですが、1年ではペラペラにはなりません。英語の実践の場が限りなく少ない日本ですから、圧倒的に時間がかかるはずです。英語は、数年・十数年の、長い「未来への投資」なのではないでしょうか。

⑩お金を貯める

英語はお金がかかる…特に海外留学をイメージすると確かに高くつきそうですが、サッカーにしろお習字にしろ、何をするにも多少のお金はかかります。できるなら「子どもがやりたい」と言った時にさせてあげられる余裕を持っておきたいものです。

「うちは留学は無理かな。子ども2人いるし」という方がいました。本当は2人ともにさせてあげたいそうです。でも、何もアメリカに行かなくても、近場の国を選ぶとか、時期を変えるだけで費用が変わる場合も多いですから、賢くやると絶対いけます!

育児や教育に絶対の正解はないと思います。他のアイデアや経験がある方、ぜひ教えてください!

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