銚子電気鉄道株式会社社長「竹本勝紀」
× 映画監督「赤井宏次」
× ワクセル
× 映画監督「赤井宏次」
× ワクセル
銚子電気鉄道株式会社(以下銚子電鉄)の竹本勝紀社長、映画監督の赤井宏次監督にインタビューさせていただきました。
お二人は映画『電車を止めるな』の代表取締役プロデューサー、映画監督として一緒に映画を制作されました。
経営破綻寸前の銚子電鉄を復活させた竹本社長の熱い想いを、赤井監督が映画という形で世の中に発信しています。
今回は銚子電鉄や映画『電車を止めるな』にまつわるエピソードをお聞きしたので、ぜひ最後までお楽しみください。
銚子電鉄の売上の7割は菓子製造業によるもの
インタビュアー:竹本社長、赤井監督よろしくお願いいたします。
竹本社長:よろしくお願いします。早速ですが、今日は銚子のお土産を持ってきたんです。当社は菓子製造業を営んでおりますので(笑)
一同:爆笑
竹本社長:当社の売上の7割を占める「ぬれ煎餅」をお持ちしました。「赤の濃い口」「青のうす口」「緑の甘口」の3種類それぞれの味わいがあり、どれも好評いただいている商品です。
さらにもう1種類「まずい棒」もご用意しました。いろいろな味があるのですが、今回はオリジナルのコーンポタージュ味です。
これは「まずいです、経営状況が!」という ”自ギャグ” ネタから名付けた商品です。
”自ギャグ” は ”自虐” と ”ギャグ” をかけ合わせた造語です。
”自虐” ばかりしていると、自分の心に穴が空いてしまうので、ギャグにして笑い飛ばしてしまおうと考えて生みだしました。
インタビュアー:まずい棒は味が何種類かあるんですか?
竹本社長:現在は4~5種類ですかね。
半年前に販売開始したワサビ味は、車両のサビを見つけて「わ!サビ!」と言っているうちに思いついた商品です(笑)
このように、楽しみながら仕事をさせていただいております。
インタビュアー:では、早速「ぬれ煎餅」をいただこうと思います。赤の濃い口をあけてみます。
(袋をあけて)あけた瞬間に、醤油のいい香りがしますね。噛みごたえがあっておいしいです。醤油の味が濃くて、おいしい。これは人気があるのもわかります。
竹本社長:醤油の味がしみ込んでいるので、とてもおいしいんです。ありがとうございます。
まずい棒の大ヒットが銚子電鉄を救った
インタビュアー:次はまずい棒をいただいてみようと思います。
竹本社長:味がまずいという意味ではなく、経営がまずいという自ギャグからきた名前です。味はとても美味しいんです。
インタビュアー:おいしいですね。わたしはこの味とても好きです。
まずい棒って数年前にバズりましたよね?
竹本社長:そうですね、3年前に一気にはやりました。
インタビュアー:ヒットしたときのことを事前に調べていますので、ご紹介させてください。
まず、2018年7月25日に銚子電鉄のFacebookにて発売を発表しました。
すると、翌日テレビでも取り上げられ、さらにYahoo!ニュースで発信されたのをきっかけに、Twitterのトレンドに登場。
ニュース番組でも取り上げられ、なんと発売開始30分で5000本も売れました。
竹本社長:当初3万本製造したのですが、初日で完売しました。追加で15万本製造したのですが、こちらもすぐに完売。
ヒットして本当によかったです。まずい棒のヒットがあったからこそ銚子電鉄は生きのびてこれました。
インタビュアー:まずい棒の名前はどうやって決まったのでしょうか?
竹本社長:もともとビジネスパートナーの寺井広樹さんが提案してくださいました。
寺井さんは涙活(るいかつ)を提唱されている方で、涙のデトックス効果でストレスを解消しようという活動を広められている実業家の方です。
寺井さんからまずい棒を作りたいというお話をいただいたのですが、どうまずくするのかで悩み、なかなか商品化できずにいました。
そのまま2年が経ち、また寺井さんから連絡がありました。まずい棒をどうしてもつくりたいとおっしゃるので、思い切って「経営状況がまずい」というのはどうでしょうか、という提案をしました。
この提案を寺井さんが気に入ってくださり「うまいのにまずい棒」という商品が生まれました。
まずい棒という商品名で販売することを許可してくださった株式会社やおきんさんには本当に感謝しております。
銚子電鉄を救いたい想いで税理士から社長へ
インタビュアー:竹本社長はもともと税理士をされていたなか、銚子電鉄の社長に就任しましたが、どのような経緯で社長になられたのでしょうか?
竹本社長:16年前に銚子電鉄の顧問弁護士の紹介で、銚子電鉄の仕事を手伝ってくれないかと言われました。当時の銚子電鉄は破産するしかない状態でしたが、破産するために必要な予納金すらない状態。
なんとか立て直そうと思い、頑張っているうちに社長になっていました。
インタビュアー:インフラとして重要なので、銚子電鉄がなくなったら困りますよね。
竹本社長:子供やお年寄り、いわゆる交通弱者にとって重要な交通手段ですからね。なんとか存続させようと、資金作りに奔走しました。
ただ、線路の修理などですぐなくなってしまうので大変でした。
自由な発想から生まれた映画『電車を止めるな』
インタビュアー:映画にまつわるエピソードもお聞かせいただけますか?
竹本社長:映画を思い立ったのは2年前でした。寺井さんと電話で話しているときに、わたしが「映画つくろうかな」と言ったら、「やりましょう!」と言ってくれたんです。
さらに、銚子だけに超C級ってどうかなと提案すると賛成してくれました。
そして、映画を制作することを新聞記者に話したら、すぐに記事になってしまいました。キャッチコピーしかない状態で映画の製作がきまったのです(笑)
インタビュアー:赤井監督は映画製作で印象的なことはありますか?
赤井監督:飛び入り参加ですね。銚子電鉄関係の方が映画に出たいと言って、飛び入りで何人か参加されました。
当然役がないので、その場で役をつくって演じてもらいました。
そのため、映画を観ていると「この人なんでここにいるんだろう?」と思うシーンがいくつもあると思います。
ぜひツッコミながら楽しんでもらえればと思います。
超C級ホラーコメディー『電車を止めるな』をぜひご覧ください
インタビュアー:最後に一言ずつお願いできますか?
赤井監督:この映画は竹本社長の銚子電鉄への想いがつまっているので、多くの人に届くといいなと思っています。
わたし自信も念願だった長編映画を撮影でき、竹本社長には本当に感謝しています。
今後とも銚子電鉄さん、映画『電車を止めるな』をよろしくお願いします。
竹本社長:途中から脚本に参加させていただきました。原作本もあるのですが、無視してかなり脚本を変えました。
超C級ホラーコメディーとして、自分が感動できる作品になったし、主題歌も素敵です。ぜひ多くの方に観ていただければと思います。