経営者対談

株式会社アノマリー
「カリスマカンタロー」× ワクセル

日本一のダンスイベント『DANCE ALIVE HERO’S(以下ダンスアライブ)』のプロデューサーであり、株式会社アノマリーの代表取締役社長 カリスマカンタローさんにインタビューをさせていただきました。

2019年4月には初の著書『誰も君のことなんて気にしていない。』(きずな出版社)を出されるなど、活躍の場をダンサーだけに留めることなく、様々な業界で旋風を巻き起こしていらっしゃいます。

世界中を飛び回り活躍するカリスマカンタローさんは、一体何を想って仕事をしているのか。

もう既に独立している経営者だけでなく、これからチャレンジを考えている方など、心の内に熱い想いを抱えている方にとって必見の内容となっております。

世界一を目指したのは、子どもの頃から「やればなんでもできる」と育てられたから

インタビュアー:カリスマカンタローさんが子どもの頃からずっと大事にされてきたことはありますか?

カンタロー:自分は小さい頃から「やればなんでもできる」と言われて育ち、「できないと思った瞬間に可能性はゼロになる。できると少しでも思ったら、できる可能性は上がる。」と常に教えられてきました。

カリスマカンタローの「カリスマTシャツ」というTシャツがあるんですけど、表にカリスマ・カリスマ・カリスマ…とあって、後ろに「負ける気がしねー」と書いています。

これは別に誰かに敵対しているわけでもなく、「俺は絶対に自分のことを信じている。俺がやるんだから負ける気がしねーぞ!」と思っているんです。「やればなんでもできる」という教えに、今も影響を受けているということですね。

また、夢は自由に変えていいと思っています。自分は昔、サッカー選手とダンサー、役者を全部やりたいと思っていました。まず最初にサッカーは途中で挫折し、次は「役者だー!」と頑張ったんですが役者も飽きてしまい、「次はダンサーだー!」と世界一のダンサーを目指しました。その中で、ただダンスが上手い人は本当に上手くて、結局自身がダンサーとして極めるのも違うなということで、今は世界一のダンス起業家を目指しています。自分の負けないポジションを探して、次にどんどん行くんですよね。

例えば、「38歳だけどAKBのようなアイドルになりたいです!」って言われたら、「うーん」となるじゃないですか。そういった時は考え方を変えればよくて、「40歳のアイドルという新しいジャンルを作りたいんです!」だったらいい。

その人にとっての最適な答えが絶対自分の中にあるはずなんです。そこを自分で深掘りせず表面上の薄っぺらい部分だけを見て、夢を変えてないから苦しくなっちゃうんじゃないかなと思います。

自分は今、ダンス事業で長いこと1位を獲れているので、夢は本当に変えていいと思っています。

作りたいのは『サッカー界』、『野球界』のような『ダンス界』!

インタビュアー:カリスマカンタローさんはダンスディライトから独立して、ダンスアライブを設立されました。これからカンタローさんが作り出したい世界とはどのようなものでしょうか?

カンタロー:僕が独立する前の時代は、ダンスディライトに出ると全国区のダンサーとして有名になれる大会でした。有名になりたかった僕もダンスディライトに出場していて、約18年前に東京代表になりました。でも何回か出場するたびに、不満が出てくるわけですよ。

その不満に感じることに対して、「なんで不満に感じるんだろう?」と、原因を紐解いていくと「俺だったらこうやるな」という答えが出てきました。「だったら自分でやろう」とすぐ独立をして東京で会社を作りました。独立してすぐの頃、ダンスディライトからは「そうなんだ、頑張れや」みたいな言葉をかけてもらいましたが、コツコツ頑張っていたら2年目で抜いちゃったんですよね。すると、「え?!オマエ!」みたいな反応になりました。

抜けた理由は、ダンスが上手い人の熱量を僕が言語化して、企業にビジネスマナーを持って、突っ込んでいったからだと思います。それまではそういった人がいなかったんですね。

​そうやってダンスアライブを立ち上げてきましたが、最終的にはサッカーや野球のように「ダンス界」を作りたいと思っています。自分の母がダンサーで、今も現役で踊っている姿に影響を受けて、ダンスだったら世界を変えられるかもしれないと思いました。ダンスを踊る時間が世界中で増えれば、その時間は平和なんじゃないかと。

でも世界を見渡したときに、ダンスにおいて世界的に誰もが知っている大会があるわけでもありませんでした。だからダンスのワールドカップみたいなものを実現し、新しい経済を生み出し、踊る人や観る人が増えて、ダンサーの年俸も高くなり、ダンサーが全世界を渡り歩いて移籍金も高くなっていく。

そんなサッカーや野球と同じようなダンス界を作るというのが僕の使命としてあり、もともと2025年までに作ると決めていました。思いのほかこの10年間苦しんだので、残りの6年くらいで上手くいけたらと思っています。

10年間は失敗の連続、4億円の借金を背負いながら学んだ経験

インタビュアー:10年間の苦労とはどのようなものだったのでしょうか?

カンタロー:思った以上にダンス業界は盛り上がっていましたが、その時に「お金を出す側の改革」つまりファンビジネスができていなかったんですね。

日本には全てのジャンルを合わせると、ダンサーだけで約600万人いると言われているのですが、YouTubeなどが出てきたことによって、動画を無料で観るような習慣になってしまい、我々のイベントに来なくなる。それが原因のひとつになり、ちゃんと経済が回るような循環システム(エコシステム)が作れなかった。

あとはダンサーがそれぞれに、パイがすごく小さい中で1位を獲って「自分が日本一だ!」「自分が世界一だ!」と言い合っている。ファンの人からしたら「本当の1位は誰なの?」ってなっちゃうんです。

その点、ダンスアライブはどう考えてもパイが1位なんです。だからそこで自分の人脈も使いながら自分のパイを獲得していけばいい。なのに、それぞれが「こっちの大会がリアルだ!」と主張している。あなたにとってのリアルはそこかもしれないけど、客観視したときのリアルはどこなの?パイが大きいところでしょ?と思います。

そういう日本一と言いたいだけの方は、マーケティングとか何も勉強していないから、投資家や企業に協力してもらっても結果が出せない。たとえ1回はお付き合いで協力してくれても、それが5回、10回とは続いていかないのでダンス業界は盛り上がっていきません。その流れを止めないといけないから、影響力を付けることを日々考えています。

そういう僕も、最初は勢いで「いくぞー!」と自転車操業をしていました。世界大会をシンガポールでやった時も、シンガポールならサムスンや他のアジア圏を獲りたい企業が協賛してくれるだろうと思い4億円を借りてカマしたんですけど、初めての大会なので見には来てくれましたが結局協賛はなく、大失敗してしまいました。

ちなみにその時、マリーナベイサンズのプールバーを貸し切ってアフターパーティーもやったんですが、「遊べー!」と遊ばせたらカメラマンまで全員飲んでしまって、YouTubeにアップしようとしていた映像が一切撮れていませんでした。あとから「何でだー!」と聞いたら、「カンタローさんが飲めー!って言って、飲ませてましたよ」って。それで2,500万円なくなりました。

今そんなことあったら、No.2の片岡が「絶対やらせねー」って止めてくれるんですが…。

あふれる熱量でビジョンを現実にする!カリスマカンタローさんが大事にしていること

インタビュアー:No.2の片岡さんの名前が出ましたが、カンタローさんがチームを作っていくうえで大事にされていることはありますか?

カンタロー:自分が好きな人を選ぶことですね。自分の魂と合うというか。魂というとスピリチュアルっぽいですが、誰だって嫌なやつと仕事したくないですよね。

また、片岡は「オマエあれできてなくない?」と正直に言ってくれます。彼が同級生なのもよかったですね。立場は社長と副社長ではありますが、プライベートと同じような感じで、僕が悪口のようなことを言ってしまったときに、「そういうところがダメじゃん」って返してくれる。この関係だったらしばらくは上手くいくだろうと思っています。

ただこれも期限があって、ある程度の財を成すとか、ある程度のところまで行かせないと「飽きるか、どこかで歪みが生まれるか」だと思うので、常に上がっていかなければいけない。

一緒にやろうと片岡を誘ったときは、彼は僕の何十倍も金を持っていたんだけど、色んな裏切りや批判があったみたいで心は疲弊していた。逆に僕は、心はたくさん余裕があったから、「俺、全然金ないけれど全然疲弊してないよ」という話をして、「だったらそれ全部辞めな!俺、世界見せるから!世界一の景色を見せてやるから、俺のところに来なよ!」って誘ったんですよ。

「35~6歳になって、世界見せるって人、新しすぎない?」って自分でも思います。(一同爆笑)

その熱量が大事ですね。

以前、平日の昼間にやったセミナーで、まず第一声「昼間のこの時間にスーツ着ていますが、皆さん働いている人たちですよね?こんな話聞きに来ている場合じゃなくないですか?今すぐ帰って、仕事した方がいいよ」と言いました。

「ここに来ている理由が、もし仕事をしたくないなら、今すぐ会社辞めたほうがいい。自分のやっている事に責任と熱量をもって、やらないと生きていて意味ないですよ。」と話した。そしたら、「響きました!」って言って、その場で本当に数人帰りました。

「今、やってることに自信があるわけじゃないけど、ふらっと来ちゃったみたいな人は、セミナーに来てる場合じゃない!」と、本当にそう思うんですよね。そういう人は弱い人かもしれないんですけれど、その弱い人も何か強くなるきっかけを探していると思うので、火付け役はすごく大事だと思います。

くすぶってる人に火をつけて、仲間にしていくのが僕は超得意で、「やりたいことがない」っていう人を見つけたら、無駄に絡んでいき、絶対あると思って、好きなものも探っていきます。

それが「モテたい」だったら、「色々な人にモテたいんだ!」という思いを一緒に掘り下げていくと、その人とチームになって、「どうやってモテようか?」となり、「モテるための会社をやろうよ」となる。「モテたいやつ集めようよ」と、「モテモテ塾やってみよう!」と集まっていく。「どうやったらモテるか?」というのを考えて、やればいいんですよね。

これからの若者へメッセージ「ブレない軸とスピードを大切に!」

インタビュアー:最後に、これからチャレンジする若者にメッセージをお願いします!

カンタロー:先程も話しましたが、自分の力を信じることがすべてです。

どうしてもブレちゃうと思うんですよね。色々なことを言ってくる人もいっぱいいるし。

でも「ああしたほうがいい、こうしたほうがいい」というのはその人達の主観であって、自分の主観ではないので、自分で「こうだ!」と決めつけた方が、上手くいくんじゃないかなと思います。

あと若いうちは、逆算しなくてもいいかもしれないね。僕も24歳で会社作った時は、勢いでしたからね。会社設立に関するなんの法律もわからないで立てましたが、今思うと24歳で会社作っておいて良かったなと思います。40歳で16期の会社を持ってるというと、まあまあしっかりされてるんだなと見られる。

こんなフザけてカリスマカンタローと言ってても、そこの部分を自分でやってて良かったなと思っています。

人間模様もそれこそ色々ある。

僕は裏切られたことはないですけれど、人が離れていく時に、「なんで離れるんだろう」とか、「俺の船でかくなるのに、今離れるの?」とか結構あったわけですよ。寂しい思いと、見返してやりたい気持ちと、常に抱きながらやってきています。

人間は常に試行錯誤していますが、自分の軸がブレると人生もブレちゃうので、自分の軸を見つけて欲しい。自分の軸は、好きなものに触れ続けることでブレなくなるかもしれないし、人と会うことによってブレなくなるかもしれない。それは人によって違います。

本を読むことは、脳の中で既に自分が得た無意識にある経験値を引き出すためだと思ってるんですよ。自分の経験を言語化するために読むみたいな。とは言っても、新しい知識を手に入れるのは、「本を読む」より「実体験」のほうが強いです。

あとはスピードかなと。明日死んじゃうかもしれないと、常に思ったほうがいいですよね。

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