趣味活サポート「センチュリアン」が広げる新たな世界

岡田 慶子

岡田 慶子

2025.01.10
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こんにちは。パラレル活動家の岡田慶子(おかだけいこ)です。10年以上も前に出会った政本美紀さんは、横浜市内の文化施設で働きながら『センチュリアン』という趣味を通じたコミュニティ活動を展開する方です。「趣味で人生を豊かにする」という彼女の理念に沿ったパラレル活動を紹介します。

人生100年時代。

悔いなく豊かに生きるには夢中になれる趣味を持て、
とか言われたところで
どこから手を付けて良いのかわからない。

仕事を真面目にやってきたら自分のための時間なんて、ほとんど取れなかった。

私の好きなことってなんだっけ?
どんなことなら夢中になれるのだろう?

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こんな2024年の元旦の投稿が目に留まりました。

投稿したのは、文化施設で働きながら

新たな挑戦を始めようと意気込みを文字にした政本美紀さん。
「これこそ、私が提唱するパラレル活動そのものだ!」
と感じた私は、すぐに彼女に連絡を取って数年ぶりに再会。

直接話を聞き、その挑戦に共感しながら応援するようになりました。

パラレル活動としての一歩

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美紀さんとは10数年前にある講座で知り合いました。それ以来、SNSを通じてつながり続け、最近では直接お会いする機会も増えています。

そんな美紀さんは、横浜市内の文化施設の企画・運営のお仕事を長くされています。コンサートホールや文化センターの場を通じて、地域に豊かな文化を届ける仕事にやりがいを感じながらも、50代になって退職後の自分の時間をどう過ごすべきかと考えた時、「このままでいいのだろうか?」と漠然とした課題に直面したと言います。

そんなときに周囲から聞こえてきたのは、冒頭でご紹介したように”趣味なんてない””やりたいことがわからない”という声。さらに聞いていくと「落語にちょっと興味はあるけど敷居が高い、何をどう見ていいかわからない」「字をきれいに書きたいけど、習うところをどう探したらいいのか」など、自分の興味や関心事にアクセスしづらいという悩みでした。

そこで、「自分が仕事や人間関係を通じて得た経験を共有することが役立てるのでは」と考えた美紀さんは、『センチュリアン』というコミュニティを立ち上げました。

センチュリアンという名前は、英語の“century”に由来します。「生きる喜びをもたらす遊び、学び、それをシェアする仲間を見つけるサークル活動」を意味し、最近では「趣味活サポート」として明快に表現されています。

センチュリアンの活動とは

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センチュリアンは、趣味を通じて自分の可能性を広げ、仲間とともに学び合う場を提供するコミュニティです。2024年6月、美紀さんはその活動をスタートしました。

第一弾は、「手ぶらで楽しく書道体験!」です。高価な道具を揃える必要もなく、椅子席で正座が不要なため、気軽に参加できるのが魅力です。さらには、「自分を励ます色紙を書く」「自信を持って芳名帳に名前を書く」など各回テーマを掲げているのがユニークです。

参加者からは「久々に筆を持って集中した」「穏やかな時間が過ごせた」など、充実した時間を過ごせたという感想が口々に寄せられたようです。

さらにプロヴァイオリニストを招いた「大人のヴァイオリン体験会」、中国山西省出身の講師による、「皮から手作り 季節の野菜を使った もちもち食感のヘルシー水餃子を楽しく作って美味しく食べる会」などバリエーション豊かなイベントが開催されています。

どのイベントも、遊びと学びをバランスよく取り入れ、初めての人でも気軽に参加できるよう工夫されています。「趣味を通じて新しい仲間ができると、人生がもっと豊かになる」と美紀さんは語ります。

パラレル活動が描く未来

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今後に予定されているプロブラムもユニークです。クラフトビールと山西菜のテイスティング体験会では、ビアジャーナリストの視点から新しい味覚や知識を学べます。また、「古典芸能鑑賞」は、伝統文化に触れる貴重な機会として初心者でも気軽に伝統文化の奥深さに触れられるプログラムです。これを機に、古典芸能のファンになる方もいるかもしれません。

美紀さんがセンチュリアンで目指しているのは、趣味をきっかけにした新しい自分の発見と、人とのつながりの広がり。仕事と並行しながら、「趣味活サポート」を通じて多くの人々に豊かな時間を提供する、まさに人生100年時代にふさわしい取り組みです。

「もうひとつの世界」を持つことは、新たな視点や可能性を広げる鍵です。趣味や学びを通じて得た経験は、自分らしい人生を創造する大きな一歩になります。美紀さんの挑戦は、パラレル活動家Ⓡとしての理想的な実践例といえるでしょう。

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