ディズニー大好き看護師・ママみっきーの挑戦「子供たちの未来のためにヘルスリテラシー向上を目指す」
看護師として10年以上働き続けたママみっきーゆりえさんは、コロナ禍で医療の現実と向き合いながら、「本当に良い看護とは何か」を模索してきました。ディズニーのホスピタリティに触れて自分自身を取り戻し、「ママみっきー」として活動する現在、正しい医療知識を広めるためにさまざまな発信をしています。パワフルに行動し続けるママみっきーゆりえさんに、活動のきっかけや行動の源泉について伺いました。
看護師として働いた10年と、次第に芽生えた疑問
私が生まれたときから母は難病を抱えていて、頻繁に入院していました。幼いながらに母を支える看護師さんたちの姿を見て、「私も看護師になりたい」と思うようになったのを覚えています。高校は進学校でしたが、最短でナースになりたいと思って専門学校を選びました。
幼い頃から抱いていた夢を実現し、看護師として10年以上働き続けましたが、「患者さんを大事にはしてるけど、自分のことを大事にしているのか」と、次第に疑問を感じるようになりました。患者さんに尽くすことを何の疑いもなく続けてきましたが、新型コロナウイルスの感染拡大を契機に、その考えが徐々に揺らいでいったのです。
コロナ禍では患者さんを最優先にし、自分自身や同僚を犠牲にする場面が多々ありました。患者さんから差別を受けたり、自分たちの診察が後回しにされたり、家族よりも患者さんのケアが優先されたりする状況が続きました。そして「このままでは、私が目指していた”良い看護師”にはなれない」と強く感じたのです。
これではダメだと思って私は病院の外に目を向け、交流会などの場に参加するようになりました。そこで、自分が看護師という役割に縛られすぎて、時代に取り残されていると感じるようになりました。「私は一体、誰なんだろう?」と、自分自身を見つめ直すきっかけになったのです。
看護師として患者さんを優先し、家庭では子供中心の生活を送るなかで、いつの間にか自分自身を見失っていました。たとえば、小さい頃は毎年行くほど大好きだったディズニーのことを、思い出す余裕すらなくなっていたのです。
ディズニーで自分自身を取り戻す
自分自身を取り戻すためにも、家族でディズニーランドへ行くことにしました。家族3人で2日間過ごし、50万円くらいは使いましたね(笑)
そのときに見た『Believe』というショーは、「自分を信じて夢を叶えよう」というメッセージが込められていて、私の心に深く刺さりました。忘れていたディズニーへの愛を思い出し、「夢を持ち続けなければ」と改めて感じたのです。
私が『ママみっきー』と名乗っているのには2つの意味があります。ひとつは、ママとして「ディズニーの象徴であるミッキーのような存在になりたい」という思いです。もうひとつは、子供と一緒にディズニーに行くことで、多くの気づきを得られるという実感があるからです。
ディズニーの魅力は、ただのアトラクションやショーにとどまりません。ウォルト・ディズニーが伝えたかったメッセージや、人々への優しさ、ホスピタリティの高さがそこにはあります。親がその背景を理解し、子供に「人の優しさ」や「思いやり」を教える貴重な機会を得られると感じています。
たとえば、ディズニーには車椅子を利用している方も多く訪れます。その場面を見て、子供に「こういうとき、どうしてあげたらいいと思う?」と問いかけたり、社会の中での人への配慮を学ばせることができます。ディズニーが伝えるメッセージは心に刺激を与え、人として成長できる要素が詰まっています。
ディズニーリゾートラインの車窓からは、パーク内の裏側で働くキャストの姿を見ることができますが、誰も見ていない場所でもキャストは必ずこちらに向かって手を振ってるんですよ。普段の殺伐とした環境ももちろん現実ですが、ここは優しい人たちがいると希望を持たせてあげられます。
ママみっきーだからこそ伝えていけること
ママみっきーとして、私はさまざまなことを発信していきたいと考えています。看護師として救命の現場に携わってきた経験から、特に強く感じるのは、今の社会における医療知識やヘルスリテラシーの低さへの危機感です。
たとえば、予防医療が広まりつつあるなかで、元となる基礎的な医療知識が不足しているために、正しい判断ができない人が多いと感じます。サプリや薬品を選ぶ際も、商品の説明や広告に左右されがちで、自分の身体についての理解がないまま選択しているのではないでしょうか。
健康の基本は、自分の身体について知ることです。しかし、学校教育で教えられることは少なく、大人になっても学ぶ機会がないのが現状です。ヘルスリテラシーを向上させることは、病気を未然に防ぐことができて、医療費の削減につながると考えています。看護師としての経験を活かしながら、明るく楽しく知識を伝えることができればと思います。
私自身も人生いろいろあったので、だからこそ社会の中で困難に直面している人々、特にシングルマザーのような方々の力になっていきたいです。