セルヒオ・ラモスに憧れたサッカー少年がドイツで挑む夢

小平 龍世/ポルチーノ

小平 龍世/ポルチーノ

2024.10.02
column_top_Kodaira-Ryusei/PORCINO

小平龍世(こだいらりゅうせい)さんは5歳からサッカーを始め、高校卒業後に単身ドイツへサッカー留学をしました。現在はドイツ5部リーグでプレーしながら、同国のトップリーグであるブンデスリーガのチームに所属するために日々努力を続けています。「世界を大熱狂させるセンターバックになる」という大きな目標を掲げる小平さんに、ドイツへ渡った経緯や、これからの展望について伺いました。

自ら資金を貯めてドイツへ渡る

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僕は現在プロサッカー選手としてドイツ5部のクラブでプレーしています。2021年3月に高校を卒業して7月にドイツに渡り、今もドイツでの生活を続けています。

サッカーを始めたきっかけは兄の影響もあり、5歳からサッカー少年団に入団しました。最初は友達とするサッカーが好きなので続けていましたが、中学1年生のときに大会で負けるという悔しい経験をして、サッカーに対する熱意が一気に高まり、趣味だったサッカーが僕の中で大切なものへと変わっていったのです。

高校サッカーの選手権に出場することに憧れ、県外の強豪校で寮生活をすることも視野に入れセレクションに参加しました。結果的に特待生として選抜されたのですが、金銭的な問題でその道を断念。一般受験で受けた志望校にも落ちて路頭に迷う中で、お声掛けしていただいたのが今の僕を育ててくれた『FC市川ガナーズ』というクラブチームでした。

ここは本当に素晴らしいクラブチームで、スペインの選手として活躍していたコーチのもと、海外留学に積極的な選手が多く、自然と僕も海外に目を向けるようになりました。高校2年生の終わり頃には、「高校を卒業したら絶対に海外に行く」ということを決めていました。留学するには多額の費用がかかることを知っていたので、自分の覚悟を示す意味でも、留学に必要な資金を自力で貯めて、親に本気さが認めてもらえるように交渉しました。

ドイツ国民のサッカーに対する熱い思い

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日本でサッカーできないんじゃないかと思うくらい、僕はドイツのサッカーを楽しんでいます。まだ5部リーグですが、それでもこちらでプレーする方が断然楽しいんです。これは自分の夢にもつながっていて、僕が掲げている夢のひとつは「世界中を大熱狂させるセンターバックになる」ことなんです。

サッカーに対する情熱は日本とは雲泥の差で、ドイツに来てそれをより強く感じました。たとえば、5部リーグでも観客が1000人も集まる試合がありますし、発煙筒を焚いて盛り上がるシーンも普通に見られます。

4部リーグに昇格すると、観客数はさらに増え、3万人が集まることもあるんです。ドイツの4部は、日本でのJFLに相当するリーグですが、金銭面でも日本と比べものにならない待遇を受けています。僕は7部リーグからスタートしましたが、その頃からすでに、隣町のチームとのダービーでは500人もの観客が集まるような試合もありましたね。

誰かに憧れられる存在になるために

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今ではヨーロッパへのサッカー留学が主流になってきていて、ドイツはその中でも特に多くの留学生が集まる国です。他の小さな国の1部や2部リーグでプレーする選手も増えています。「ドイツでプロとしてサッカーをしていた」と話す選手が日本にもいますが、それを聞いた時、「プロとは何だろう」と考えたことがありました。

自分なりに考えを深めていくうちに、腑に落ちたことがありました。それは、アスリートの価値は単純な実力や能力だけではないということです。たとえば、プレーした時に、どれだけの人が試合を見に来たいと思ってくれるのか。見に来た人がどれだけ喜んだり、感動したりするのか。この「需要の多さ」こそが、プロの本質ではないかと気づいたのです。

それ以来、ただサッカーをするだけでなく、SNSやメディアでの発信にも力を入れるようになりました。今は主にInstagramを使っていますが、他の選手とは少し違うアプローチで、自分のプレーを見たいと思ってくれる人を増やすことがテーマのひとつです。

最終的な目標は、「世界中を熱狂させるセンターバックになる」ことです。もちろん、ドイツのトップリーグ、いわゆるブンデスリーガのチームに所属することも、僕にとって大きな目標のひとつです。

サッカー選手、アスリートとして、より高いレベルでプレーし、より良い環境で成長したいと考えるのは当然のことだと思います。もちろんそのためにトレーニングも欠かさず続けていますが、それは僕の中でスタンダードなことです。
僕のようになりたいと思ってくれる人を増やすために、自分の挑戦や活動を発信することにも力を入れていきます。僕が憧れていたセルヒオ・ラモスのように、今度は僕自身が誰かの憧れになりたいです。そのためには何が必要かを常に考え、さまざまな挑戦を続けていきたいと思っています。まずは、多くの人に僕のことを知ってもらいたいですね。

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