『サーキュラーステーションYOKOHAMA』が目指す横浜の未来とは

河原 勇輝

河原 勇輝

2024.06.19
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サーキュラーエコノミー(循環型経済)の先進都市を目指す横浜市。その横浜市に、空き家を拠点としてサーキュラーエコノミーを実践する『サーキュラーステーションYOKOHAMA』が誕生しました。この場所を立ち上げた、横浜青年会議所の長谷川圭一さんと俵谷俊輔さん、株式会社solar crew事業責任者の河原勇輝さんに、詳しくお話を伺いました。

『サーキュラーステーションYOKOHAMA』に対する横浜青年会議所の思い

見出し1画像_嶋村吉洋社長が主催するワクセルのコラム_【特急】横浜青年会議所

「大量生産」「大量消費」「大量廃棄」のリニアエコノミー(直線型経済)社会は、気候変動の問題や天然資源の枯渇など、さまざまな社会問題を引き起こしています。

横浜市は、このリニアエコノミー社会から脱却し、製品/素材/資源の価値を可能な限り長く保全・維持し、廃棄物の発生を最小限化するサーキュラーエコノミー(循環型経済)の先進都市となることを目指しています。

横浜青年会議所では、2022年からこうした「循環経済の先進」を政策に掲げており、2023年からその実践を行っています。

2024年には、横浜市内でサーキュラーエコノミーをより具体的に実践しようという計画があり、それを実践する拠点をつくろうという話になりました。そこで、より持続的な環境にするために目を付けたのが「空き家の活用」でした。

横浜市内で、空き家の利活用をされている事業者を調べ、『solar crew』と出会いました。そして『solar crew』の事業責任者である河原さんとミーティングをさせていただき、「ぜひ空き家を使ってください」と言っていただいたことで『サーキュラーステーションYOKOHAMA』が始動する運びとなりました。

河原さんは、私たちのやりたいことをすべて具体化してくれようとしてくださって、「こんな人が横浜市にいたんだ」というのが第一印象です。

この空き家以外に、「横浜市内で地産地消の取り組みをしたい」という声があったので農地を拠点にしたり、トヨタ自動車のテナントを借りた拠点をつくったりと、全部で5カ所の拠点が生まれました。

『サーキュラーステーションYOKOHAMA』の取り組みとして、まず拠点となる空き家を「廃棄を生まない」というテーマのもと、DIYで準備を進めてきました。

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4月27日に開所式が無事に修了したので、ここからサーキュラーをテーマにした廃棄資源や廃棄品などを使ったワークショップを開催したり、サーキュラーエコノミーを取り入れたい企業に向けたスタートアップセッションを行ったりと、さまざまなイベントを全11回にわたって開催します。

今横浜市内では、『ペロブスカイト』への興味関心も高まっているので、「ペロブスカイトってなんだろう?」という講義やセミナーも開催する予定です。

開所式では、長い時間をかけて空き家を準備したので、我が子のような空き家がいよいよオープンするんだなという思いがありました。メンバー全員が、「サーキュラーエコノミーを横浜市で広げたい」「市民の行動変容につなげていきたい」という思いがあるので、開所式を迎えられて、メンバー全員がうれしい気持ちでいっぱいです。

サーキュラーエコノミーは、文字で見るとすごく難しいと感じるかもしれませんが、意外と簡単に企業や家庭で取り組めるものがたくさんあります。市民の皆さまや横浜市内の事業者さまがサーキュラーエコノミーに触れて、ぜひ日常に取り入れてもらえたらうれしいです。そしてそこから横浜市内で、持続的に発展していくような社会を構築できたらなと思っています。

サーキュラーエコノミープラスを掲げる『solar crew』の思い

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『solar crew』では、サーキュラーエコノミープラスというのを掲げて社団法人をしてます。サーキュラーエコノミーそのものが物や資源を循環するわけではなく、あくまでもそこにいる人が「循環させよう」という心や思いがあるからこそ、循環型の社会が出来上がると考えているからです。

横浜市も今、こうした概念を掲げて政策を進めています。なのでサーキュラーエコノミーを身近に感じられる『サーキュラーステーションYOKOHAMA』ができるというのは、横浜市が大きく変わるきっかけになると思っています。

人が集まり、サーキュラーエコノミーを知って学んで、共につながることができる場所というのは、僕らの概念にピッタリだと思ったので、今回ご一緒できてよかったと思っています。僕たちもいろいろ準備をしてきましたが、青年会議所のみなさんが、ものすごく頑張って準備をしていたので、開所式を迎えられたときはとてもうれしかったです。

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『サーキュラーステーションYOKOHAMA』は、青年会議所が展開しているということが大きなポイントだと思っています。企業が運営するとなると、営利目的で見られがちです。一方で、行政がつくったものというのは、さまざまな規制などがあり、堅いものになってしまいます。

青年会議所のような、企業同士のプラットフォームである団体が、『サーキュラーステーションYOKOHAMA』を運営することで、さまざまな関わり合いができると思っています。

もうひとつのポイントとして、ここに起業家たちが集まることで、起業家同士がサーキュラーエコノミーを学びながら連携を深め、事業につなげていくことができることが挙げられます。サーキュラーエコノミーは、循環型経済なので、経済の視点で興味を持っている起業家は大勢います。

『サーキュラーエコノミーYOKOHAMA』という取り組みは9月まで続くので、この期間に勉強会などを通して、多くの人の循環型経済への理解が育っていくことが、社会全体に大きな意義を生み出すと思っています。

また、この取り組みには小さい子どもも参加しています。サーキュラーエコノミーを小さい頃から身近に感じられるというのは、『サーキュラーステーションYOKOHAMA』ならではの魅力です。楽しみながら、結果的にサーキュラーエコノミーについて学べたというのが、まさに子どもたちへの未来につながっていると思います。

『solar crew』では、空き家以外に、空き地/空き工場/空きビルなどを「防災拠点に変えたい」という相談もいくつかいただいています。空いている所というのは、その街からしたらデッドスペースでしかありません。こうした場所をみなさんが使えるサードプレイスに変えるというのが、僕たちが今一番目指していくべき姿だと思っています。

この取り組みは、循環型経済で使われなくなった空き家などを使っていくという意味で、サーキュラーエコノミーの取り組みにも広がっていくと思ってます。今僕らがやってる事業を進める中でサーキュラーエコノミーの取り組みにつなげていきたいです。

『サーキュラーエコノミーYOKOHAMA』が目指す未来

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今後は、6月に開催された横浜開港祭などのイベントでの発信活動で認知を広げたり、横浜市内に同じような空き家を使った拠点をつくったりと、横浜市内でサーキュラーエコノミーの魅力を感じられるような活動を続けていきます。

またまだ未定ではありますが、8月23日に開かれる『横浜経済人会議』で、サーキュラーエコノミーに関する横浜青年会議所の取り組みや、市内連携パートナーさまと連携した取り組みについて発信する予定です。

この1年間の活動を通して政策提言させていただき、より多くのみなさんにサーキュラーエコノミーの素晴らしさを届けたいと思っています。

<関連リンク>
サーキュラーステーションYOKOHAMA
https://www.yokohama-jc.or.jp/02/1008/