ビリギャル「小林さやか」×
嶋村吉洋
ビリギャルの小林さやかさんにインタビューをさせていただきました。
小林さやかさんは、『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40あげて慶應大学に現役合格した話』(坪田信貴著)で一躍有名になったビリギャルのご本人でいらっしゃいます。
当時の家族間の絆や坪田先生に教わった教育を伝えようと講演活動をされながら、『キラッキラの君になるために ビリギャル真実の物語』という本も出版されています。
また、より多くの方に教育の大切さを理論的に伝えるため、お仕事を続けながら、2019年に大学院に入学し、学習科学のご研究をなさっています。
常に学び続ける小林さやかさんから「学び続けることの大切さ」を学ばせていただきましょう。
小林さやかさんは、ご自身の得意なところを理解し伸ばしていると感じています。どうやって自分の得意分野を見つけられてきましたか?
小林:(得意分野を見つけるというより)できないことや苦手なものの方が先にわかりません?
苦手なことをやらないようにしている。無理にできないことをやらないって割り切っちゃったら、できることしか残らなかった感じかな。
講演は、人前で喋るのがそんなに嫌じゃなくて。すごく楽しいし、あんまり緊張しないんですよね。元々向いているのかもしれないですけど。
私の講演を聴くとね、みんな「やっぱりさやかちゃん、頭いいのよ」って言うんだよね。話を聞いて「やっぱ確信したわ、あんなに頭の回転速くないもん」みたいな。だから「やっぱり慶應くらい受かるわよね!」という謎のロジックが出てくる。
でもね、冷静に考えると私も最初から喋れたわけではないんです。すごい悩んで練習もしたし。ただ学生時代合コンに行きまくっていたから、(合コンで)場を盛り上げる力は身についていたかもしれない。合コンでは女子も男子も楽しめないと困るから、場を盛り上げなきゃいけないじゃないですか。講演で場を見て盛り上げるのは、合コンテクニック的なとこがありますよね。
先日、坪田先生に私の講演を3年ぶりくらいに聴いていただいたんですけど、「すごく上手になった!」って言ってくれた。
私の講演後に、坪田先生がお話されたんですけど、壇上で「さやかちゃんの講演聴いてみんなどうでしたか?やっぱりさやかちゃん元々できるんだよ、頭の回転が速いんだよ、頭いいなんて思うでしょ。だけど3年前はあんなに上手じゃなかったですよ」って言ってくれた。
数えると、去年は120回講演したんですよ。その前は100回、その前は90回、その前は80回なんで、この4年で400回くらいやっています。400回も同じ話をして、それでも何かを伝えられなかったら、向いてないからやめた方がいいって思うね。
継続するってことが大事だったり、一番の力になるなと感じています。ただマネージャーさんにお願いしているのは、3連休の中日(なかび)とかにやる会社の研修はなるべく入れないで欲しいって言ってるんです。
研修で強制参加だと、みんな嫌々出てきているから、反応が1ミリもないんですよ。「なんでビリギャルの話なんか、聴かなきゃなんねーんだよ。」って、空気を感じると私も気持ちが下がるじゃないですか。
モチベーションが下がる仕事は「やらないでおこう」って言ってます。苦手なことや自分のモチベーションが下がることは、時間も有限だしやめたほうがいいと思いましたね。
嶋村吉洋:相手に合わせてどうしたら聞いてもらえるかを工夫しているんですよね。
小林:そうですね。どうやって言ったらちゃんと聞いてもらえるかだんだんわかってくるので、学生ばかりなら、言い方をちょっと変えてみたり。おじいちゃん・おばあちゃんが多かったら表現を変えるし。田舎へ行くと、「ビリギャル?なんか有名人ぽい人だから行こう」みたいな感じで人がいっぱい来る。だったらビリギャルの説明をもっときちんとしないとなって考えて話します。
やっぱり、(秘訣は)全部合コンですね。講演と合コンは一緒です。
インタビュアー:合コンは、学びになることがいっぱいありますもんね(爆笑)
小林:合コンは、いろんなスキルが必要ですしね。
坪田先生がアメリカに行ってた時に、毎日一人ナンパするって決めていたみたいです。営業マンは特にそうですし「一人の人を口説けないくらいだったらやめちまえ!」みたいなのが坪田先生の考え方。自分が好かれたいと思う女性を口説くことが大事だと言ってた時、「なるほどな!」って思った。
学生にそんな話をすると、みんなザワザワする。いまそんな感じじゃないからね。草食系男子ばっかり。
さやかさんにとって、チャレンジする価値はどういったところにありますか?
小林:最近ブログにも書いたんだけど、チャレンジしていないとなんか怖くなってきません?
1回チャレンジすると、バッと世界が広がって、しかもそこで出会う人たちみんなチャレンジしている人だから、その中で自分だけがずーっと同じところにいるのが怖い。
チャレンジするってことは、いいか悪いかわからないんだけれど、新しい別の世界がまた見えるってことで。今度YouTubeチャンネルを始めること一つ取っても、コメント欄でめっちゃディスられたり、今まで避けて通ってきたことを目の当たりにすることも承知の上でやる。
傷ついても「アンチの人が広げてくれているんだ!」って捉えてやるしかないと思っているんだけれど、そのおかげでチャンネル登録数がいっぱいになったら、本や講演とはまた違う伝え方ができるかもしれない。
講演に行くことはできないけれど、YouTubeで15分だったら観ようかなと思う学生さんもいっぱいいると思うので、大事なメッセージが伝えられるのであれば、ディスられて、凹んでいる場合じゃないなって思う。(チャレンジするということは)自分の世界を広げるっていうことだと思うから、止めちゃうとつまらないよね。
インタビュアー:ポジティブに捉えたのは受験の経験からですか?
小林:うん。そうだと思いますね。中学受験、大学受験が私にとってすごく大きな成功体験になってる。ビリギャルのおかげで、みなさんに「すごいね」って言ってもらえるけど、冷静にね「いやーそんなにすごくないんだけどな」って気持ちがどこかにあります。
だって究極暗記しただけだし、そんなのみんなやっているし、別にギャルだったからキャッチーで物語にしてもらえただけで。合格してなかったら普通の社会人になっただろうし、慶應へ行ったら、同じくらい努力した経験をしている人、まわりにたくさんいたしね。
受験の世界から一歩出たら、もっと厳しいところで挑戦して頑張っている人もたくさんいるって今はわかる。何がすごかったんだろうと思うと、挑戦して成功したことが多くの人たちの経験に重ね合わせやすいロールモデルだったっていうだけだと思うんですよね。
すごい人はいっぱいいる。大したことやってないのに、こうやって多くの人に話を聞いてもらえる立場にいるからこそ、ちゃんと学び続ける姿勢を見せて、大事なメッセージを伝えていかないと使命を全うできないなって焦りがある。だから学び続けている。
大学院に通って学んで、ロジカルに話せるようになったら、もっと色々な人が話を聞いてくれるんじゃないか、私の考えを伝えられるんじゃないかと、その気持ちが軸にありますね。
いつもポジティブじゃないんですけれど、ちょうどよく自分を追い込めているというか、そういった感じがあります。
講演活動を始めたきっかけはなんだったんですか?
小林:単純に『呼ばれたから行った。』のが始まりです。名古屋の中学校に呼ばれたのが初めてだった。
私、慶應卒業してから結婚式場で3年間働いていたの。ウェディングプランナーをやっていて、そこでお世話になった方で、おかんって呼ばれてた同僚がいたんです。おかんには二人の息子さんがいて、学校でPTAをやってた。その学校で講演して欲しいと呼ばれたのが最初ですね。
交通費2万円もらえたんだけれど、当時東京に住んでたので赤字だったんです。でもそこから講演活動は始まった。
(初めての講演をしたのは)ビリギャルの本が出てからですね。私が本を出すのはその大分後ですけれど、坪田先生の本が出て、「さやかちゃんはビリギャルで有名になったから、子どもたちに話をしてあげてよ!」という感じで。手探りで、パワポの資料も何もない中、喋ったのが始まりです。
そこから講演の依頼が来るようになった。
嶋村吉洋:講演を今まで続けられてきたのは、ビリギャルのリアルを伝えるのが主な理由ですか?
小林:もったいない捉え方をしている人が多いなって感じていて。講演会の後にサイン会をやると、お母さんが、後ろに隠れる子どもを引っ張って「ほら!名前をいいなさい!握手してもらいなさい!」と言って無理やり前に出すんです。よかれと思ってというのはわかるけど、子どもの意志を尊重する、という話をしたすぐあとなのにあんまり伝わってないなと。
それで私は、どうやったら伝わるかなーといろいろ試した結果、今の形になったんです。時間があったらお母さんたちに向けて、こう言って子どもたちに伝えてねっていつも話しているんですけれど、それでも伝わらない時がやっぱり多く、体験でしか人は変わらないので、1時間話を聞くだけでは、難しいのかなって思う。
納得してもらえるには、ロジックが足りないのかなと思って、大学院に通うことにしたり、私も試行錯誤しているんですけれど。
嶋村吉洋:昔に比べ打たれ強くなりましたか?
小林:打たれ強くはなりました!今もそうなんですけれど、結構小さいことで傷ついたり、めちゃくちゃ自尊感情を傷つけられて「あー私なんてー」みたいなモードの時もある。講演するようになって、みなさんに多くの自己肯定感をもらえるし、みなさん話を聞いてくださるし、仕事で自己肯定感が高まっている感じ。
嶋村吉洋:結構、無茶苦茶なアンチみたいな人もいるんですか?
小林:いるんじゃないですかねー?でもあまりネットは見ないようにしてる。ビリギャルの本が出たときに、坪田先生から絶対にネットは見るなって言われて、(ネットで)何を言われているか想像はつくんだけど、実際に生の声には触れてこなかった。
だからYouTubeはちょっと怖いんだけれど、コメントはやっぱり観たい。そこにプラスのコミュニケーションもあると思うので、見ざるを得ない。
いつもは、「なんのために勉強するのか?」というのを学生たちに、もっと時間を割いてじっくり伝えるんです。(勉強する理由は)とても重要だと思っています。本当に聴いて欲しいのは親なんですよね。
大人が思っている以上に子どもたちはちゃんと考えているんだと。親も一緒に講演を聴いてもらうと、「確かにな!」ってなるんだけど、忙しすぎて考える余裕がないから、(講演は)きっかけだと思うんですよね。
だから親が言っても伝わらないことを、私が代わりに伝えることが大事かなと思っていて、学校の先生が同じことを言っても「はいはい」って(スルーして)おしまいにしても、私だったら「ビリギャルが言うことはちょっと聞こうかな」って気持ちになったりするからさ。
「クソ」とか「しょーもねー」とか、わざと口を悪く喋ったりもしています。学生たちに「あ、この人はこっち側の人間だな」と信頼してもらえるように。
それと絶対に学校の先生を否定しないようにしてる。あの人たちも精一杯やっているから。それがやっと最近になってわかったので、(先生と生徒の)中間の橋渡しができるようになったらいいなと思います。
さやかさんから見た坪田先生の魅力について、どういったところが一番すごいなって思われますか。
小林:坪田先生は、私にでもわかるように説明してくれるので、すごく好きです。頭がいい人って難しく言いがちじゃないですか。本もそうだしさ。でも伝わらないと意味ない。みんながそんな難しい文章をわかるわけでもないし、すっと入ってくるわけでもないので。
私なんかでも「わー!なるほど」って思わせてくれる天才。たとえ話がすごい上手なんです。
坪田先生は、その子に合わせてたとえ話をしてくれるので、ゲームが好きな子はゲーム、ジャニーズが好きな子はジャニーズ、野球が好きな子は野球と。相手に合わせられるっていうのは、本当に頭のいい人じゃないとできないような気がするんです。そして先生自身が、一番楽しそうっていうのがすごいね。
私は(坪田先生の)少年みたいな感じに憧れますね。今も一緒にいて、一番ワクワクする人です。
坪田先生は、ロジカルとパッションを、どっちも持っている人なので、だから説得力があるというか。パッションだけでも「はいはい」ってなるし、胡散臭いなってなる。ロジカルばっかりでも、ワクワクしない。ここが合わさっているから、先生は面白いなって思うんです。
さやかさんが、大事にされている言葉や座右の銘はありますか?
小林:私、座右の銘はないんだよねー(笑)
いつも「やってみなきゃわかんないっしょ!」です。っていって、ビリギャル感を出して話してる。座右の銘か、考えていこう。
インタビュアー:坪田先生からのメッセージで「意志あるところに道は開ける」はとても素敵だなって思いました。
小林:坪田先生が受験の時に言ってくれた言葉ですね。
インタビュアー:受験を経験している身だととても響きますよね。
小林:大人になっても何にしても一緒だと思いません?
インタビュアー:仕事と一緒だと思います。
小林:私の講演って、色々な立場の人が自分に置き換えて聴いてもらえるのが特徴なのかなって思っていて、お父さんはお母さんの視点と違うだろうし、泣くところも男性と女性で全然違うんですよ。
お母さんたちは、うちの弟の話で絶対に泣いちゃうんです。それって多分、自分が同じことをやっちゃってるかもしれないなと感じているからだと思うんです。子どもに長く接しているのは女性が多かったりするので、男性にはわからない感情があるのかな。
男性は男性で、うちのお父さんのことで「わかる~一緒〜!」みたいなね。でもお父さんとは今は仲良しなんだということが伝わると、そこでグッとくる男性もいるしね。
誰かを指導する立場の人は坪田先生に自分を重ねるだろうし、なんか今から頑張ろうとしている人は、私のポジションだし、上司、部下、先生、生徒、親、子、色々なところに置き換えられる話なんじゃないかなと思う。
ビジョンを描き続けるってすごく大事だなと思っていますが、今のさやかさんのビジョンは何ですか?
小林:いま目の前のビジョンは、来年大学院を卒業するので、修士論文を書き上げるということが目標です。書き上げてどうするんですかって、よく聞かれるんだけれど、私はいつも直感で、ワクワクしたらやってみて、違ったら止めようってタイプなの。
大学院も行った方がいいなと思って、すぐに決めました。卒業後どうするかはまだわからない。学習科学という知見を身につけないと見えない世界もあるだろうし、知識を持って初めて何ができるか、わかるじゃないですか。その時にまた、考えようかなと思っています。
大きな目標は、幸せな子どもを増やしたい。そのためにやりたいことは3つっていつも言ってる。
1つ目は学校教育をもっとイケてるものにしたい。私の中では学校教育は意味なかったからね。捉え方の問題だったし、その時は気づけなかっただけなんだけど。一方で、坪田先生が私にしてくれたみたいなやり方はできなかったのかなと思ったりします。ただ坪田先生ですら、心理学やエニアグラムを駆使して一人の女の子を成功に導いたのかもしれないし、同時に多くの生徒を担任の先生1人で導くなんて、相当の化けもんじゃなかったらできないと思っています。
そうするとやっぱり今の日本の学校教育でやっている一斉授業制度は、もうそろそろ限界なのかなって思います。
だから学習科学の知見を活かして、ビリギャルもちょっと利用させてもらいながら、教育制度を変えたいと言うのが一つ目のやりたいこと。
2つ目は、もっと笑っているお母さんを増やしたいですね。もうね、講演を聴くとね、みんな泣いちゃうんですよ。感動してかもしれないけれど、辛くて泣いているお母さんもたくさんいると思っています。
社会の環境もそうだし、旦那さんとの関係もあると思うので、一概に言えないけれど、お母さん自身が、もっと自分の人生を楽しんで生きることが子どもたちにとっても幸せなんだよっていうことを、もっと伝えたい。
だから3年前にクラウドファンディングでお金を集めて、渋谷でママ大学っていうイベントを企画しました。色々模索しながらやれることはないかなって。
3つ目は、自分もいつか誰かを育てる身になりたいなと。自分が産んだ子じゃなくてもいいなって思ってる。できれば産めたらいいけどね。でもこればかりはわからないから。お母さんにはなってみたいなって思う。
この3つができたら、きっと幸せな子どもが増えるって思っています。
子どもにはどんなことを伝えたいですか?
小林:勉強ってさ、正解はないじゃないですか。正解を探すことが勉強だと思っている子どもたちがすごく多いけど、社会に出ると正解のない問題に取り組んでいかなきゃいけないのが本当の勉強なので、小さい時から正解なんて一つもないことを伝えたい。
「大学入学共通テスト」で国語・数学を記述式問題に変える話があったじゃないですか。結局記述式も問題があるとなって、なくなったのがありましたよね。
あれはどういった意味があったのかというと、(選択式問題は)どこかに答えがあるって子どもたちが思っちゃうことがまず問題。人それぞれ違っていいのに、どこかに答えがあるはずで、消去法でこれかもって思って答える。当てずっぽうでも当たっちゃうっていう世界が、今までの試験。
これを記述式にすることで、自分で答えを生み出して、どういったことが正解というか、この文脈から何を読むか、自分で発想を巡らすっていうことを生み出したくて、記述式に変える話が発生していたんですよね。
でも結局、新たな問題が出てきてやめちゃった。なんかすごくもどかしいなと。そこにちゃんと意味があるということを、なぜ伝えられなかったのかなと思うんです。課題なんて日本の学校教育にはめちゃくちゃあるんだけれど、解決のスピードをどうにかできないものかと、研究室で悩んでいるんです。
結構長いね、道のりは。
インタビュアー:小学校は海外だったので……。記述式しかなかったような気がします。エッセイを書くなど。
小林:いいですね。しかもだいたい一つは褒めてもらえるでしょ。何かを書いたら必ず褒めてもらえるというのが、アメリカの教育だと私は思っていて、だからあんなに異常に自己肯定感が高くなると思っている。
日本は、やっぱり間違い探しなんだよね。だから自己肯定感が低くなる。相手の顔色を見て、自分の行動を選ぶようになってしまうと、すごくもったいない。
日本は呪縛が解けないというか、すべてのことに言えることなんじゃないかと思うんですけれど、何か正解があるって思いすぎ。子どもたちには「オールオッケー何でもいいよ」って伝えていきたいですね。
日本を変えたいという大きなビジョンからお仕事されているということですか
小林:そんな大層なことは一人じゃできないけれど、ビリギャルのおかげで、すごい人たちが周りにたくさんいてくれるから。
こうやって世の中変えていけるんだなと。私も何かやらなきゃっていう気持ちが私の中でありますね。
インタビュアー:かっこいいー!
小林:いやいや、かっこよくない。まだ何もできていないから。
嶋村吉洋:僕も学校は本当に嫌で、最後は行かなくなった。社会人になって、人生をもっとよくしていこうという人たちが活躍する場所を作ろうと思って、まさに教育みたいなものですよ。自分で自分を教育する場所を作っています。あとは本人の努力次第なんですけれどね。
小林:やっぱり、自走することしかできないからね。みなさんは仲間がいっぱいいるでしょ。それが大きいんじゃないかと思います。私が、コーチを探せって本で書いているのは、坪田先生やうちのお母さんを想定して書いたんですけれど、学生たちって仲間がいないんだよね。
だからマイノリティ(少数派)になっちゃって、怖くなっちゃって、「自分が異常なんじゃないか」、「大きなことを言うのが怖い」などと思ってしまう。ああいった一つのコミュニティがあって、一緒の軸を共有するような仲間がいるのは強いなと、爆発的な威力を持つと思いましたね。
最後に、若手の起業家に向けてひとことだけお願いします。
小林:若手起業家ね、そうだね。
何かを始める時、特にお金を使うことだったり、人を巻き込む時は勇気がすごいいる。私も何度も怖気づいた経験あるからね。だけど所詮、周りの人は周りの人だからなっていつも思ってて、結局は自分の人生なので、失敗したってそこから何かを学べばいいと思うし。失敗したら怖いなって思うことほど実は成功する確率は高いので、小さなゴールでもいいから目標を見つけて、挑戦して欲しいなと思いますね。
色々なものが変わっていきますし、子どもたちも育っていくと思います。
事業をやる時に、この3つのうち1つでも埋めてなかったら失敗するからやめた方がいいと坪田先生が言っていた法則をお伝えしますね。私の言葉じゃないんだけれど。
当たり前っちゃ当たり前なんだけれど、
1つ目はちゃんと(事業が)持続可能なくらいお金が儲かるもの。当たり前ですよね。ボランティアでは持続できないもんね。
2つ目は世の中のためになること。ベクトルが自分にしか向いていないものはいつか終わりが来るので、これによってどれだけの人を幸せにできるかが2つ目。
3つ目は、自分自身が必ずワクワクすること。
これがどれか1つでも欠けていれば、失敗するから辞めておけって言ってましたね。
私はいつも新しいことをする時に、この3つが満たされているかを確認しています。それで何度も辞めてきた。「これだと儲からないよ、儲からないからやめよう」って。始めはいいかなと思っても、中々この3つに当てはまらないから、できなかったりするけれど、でもいつかね。
ここを大事にしておけば、成功し続けられる事業が見つかるかなって思います。