太陽とボレロ
原題:太陽とボレロ
配給:東映
見どころ
豊かな自然に恵まれた、とある地方都市で、長年活動を続けてきた、アマチュア交響楽団の解散が決まった。苦渋の決断を下した主宰者・花村理子は、ラストコンサートを計画するも、それぞれの事情を抱えた、楽団員たちの息は合わない。しかし楽団の喪失を機に、理子と楽団をめぐる人々とのつながりが、図らずも増えてゆき……。
クラシック音楽をモチーフに、終わりから生まれる始まりという、ユニークな人生讃歌を描いたのは、水谷豊。鮮烈な映画監督デビュー作『TAP -THE LAST SHOW-』(17)、前作『轢き逃げ-最高で最悪な日-』(19)での、オリジナリティあふれる世界観で、人生の希望を照らしてきた、天性のエンタテイナーだ。前作に続き、本作でも、脚本、監督、出演の三役を担い、作品をアグレッシヴに牽引し、全く新しいエンタテインメントを作り出した。
水谷監督直々のオファーを受けて、主人公・理子を演じるのは、本作が満を持しての映画初主演となる檀れい。観客の共感を呼ぶ、等身大のヒロインを、明るく、チャーミングに演じきった。その他、歌手、ミュージカル俳優としての活躍も目覚ましい石丸幹二、監督が熱視線を送る、若手注目株の町田啓太、新人ながら、ヴァイオリンの腕を見込まれて、大抜擢された森マリアをはじめ、田口浩正、藤吉久美子、田中要次、六平直政、河相我聞、原田龍二、檀ふみ、山中崇史、松金よね子、小市慢太郎ら、幅広く、にぎやかなキャスティングで、味わい深いハーモニーを奏でる。
コロナ禍で撮影が1年延期になった間も、楽団メンバー役の俳優陣は、楽器練習に励んだ。吹き替えなしで、プロのオーケストラと「ボレロ」を演奏した、クライマックス・シーンは本作の白眉だ。世界を舞台に活躍する指揮者・西本智実率いる、イルミナートフィルハーモニーオーケストラの美しい旋律が、映画をいっそう輝かせる。観客は、誰も観たことのない、来るべき映画を目撃するだろう。
ラストでは、森の奥のコンサートホールで、理子と一緒に拍手を贈っているはず⁉︎ 映画の登場人物たちと、いまを生きる歓びを分かち合い、劇場を後にすれば、陽射しの中、我が人生の、新たな一歩を踏みだす勇気が湧いてくる。そんな幸福な、映画のマジックを、あなたに!
あらすじ
「今日、わたしたちは、解散をします。」
花村理子(檀れい)は、奔走していた。アマチュアではあるが、18年の歴史を誇る、弥生交響楽団存続のために。
急逝した父親の事業を継ぎ、ひとり残された母親(檀ふみ)の面倒を見るため、ピアニストになることを諦めて、故郷に帰った理子にとって、弥生交響楽団は、厳しい現実を支える、大切な夢だった。
3年前から、大学時代の恩師・藤堂(水谷豊)を指揮者に迎えたものの、客足は年々遠のき、苦しい運営が続いていた。創立当時から、楽団を支援してきた鶴間(石丸幹二)とともに、役所や金融機関に掛け合うも、なかなか協力は得られない。そんな折、コンサートの最中に、藤堂が倒れてしまう。個性豊かな楽団員たちの心を、ひとつにまとめていた、おおきな存在を失くした弥生交響楽団に、不協和音が響きだす……。
ついに理子は解散を決意するが、楽団のメンバーたちに、ラストコンサートを提案する。若き楽団員の圭介(町田啓太)やあかり(森マリア)も、音楽を愛する仲間の心を、いま一度合わせようと奮闘するが、バラバラになっていくメンバーの足並みは、なかなか揃わない。
もはや修復不可能な状況に、皆がコンサートを諦めかけたとき、入院中の藤堂から、ビデオレターが届く。そして、ちいさな奇跡が起きた。
燃え立つような太陽が西の空に消えて、マジックアワーを迎えるとき。「ボレロ」の力強いリズムにのせて、弥生交響楽団、最後の、そして最高のコンサートが始まる!
スタッフ
水谷 豊
撮影監督:
会田正裕 (J.S.C.)
製作総指揮:
早河 洋
製作統括:手塚 治
製作:
西 新
村松秀信
水谷晴夫
與田尚志
企画:
長井富夫
エグゼクティブプロデューサー:
桑田 潔
プロデューサー:
遠藤英明
西平敦郎
栗生一馬
キャスト
石丸幹二
森 マリア
町田啓太
田口浩正
永岡 佑
梅舟惟永
田中要次
木越 明
高瀬哲朗
藤吉久美子
小市慢太郎
カンニング竹山
HideboH
渋谷謙人
松金よね子
六平直政
山中崇史
檀 ふみ
河相我聞
原田龍二
水谷 豊