経営者対談

リラクゼーションのお店「りらくる」の創業者
竹之内教博×ワクセル

リラクゼーションのお店「りらくる」の創業者、竹之内教博(たけのうちゆきひろ)さんにインタビューさせていただきました。

竹之内さんは美容師を経て、「りらくる」を創業されました。創業から7年間で、直営600店舗まで拡大し、270億で事業を売却。そこから3年で飲食、アプリ開発、EC、レンタルスペース、マツエクサロンなど約20近くのビジネスを立ち上げられてきました。

竹之内教博さんのこれまでの経歴

2021年4月には『無名の男がたった7年で 270億円手に入れた物語(扶桑社BOOKS)』を出版。現在は、経営者、作家、ユーチューバーなど多方面で活躍されています。

今回はラジオパーソナリティーの窪田有美(くぼたゆみ)さん、ワクセル運営責任者の住谷知厚(すみたにともひろ)がインタビュアーとして、竹之内さんの成功の秘訣をうかがいました。ぜひ最後までお楽しみください。

「非常識な行動」が「非常識な結果」を創り出す

窪田:竹之内さんは、もともと経営者になりたいと思われていたのですか?

竹之内:小学生の卒業文集に「社長になりたい」と書きました。わたしの実家はあまり裕福ではなかったので、やりたいことができるようにお金持ちになりたいと思っていました。

お金持ちになるためには社長になる必要があると考え、社長になるために必要な勉強や経験をしようと子供のころから思っていました。高校、大学にも行ってみましたが、教わる内容が経営に役立つとは思えず、大学はわずか4か月で中退しました。

ほとんどの人が社会に出て、サラリーマンか起業家になるにも関わらず、大学に入るまで「働くこと」について教わらないのは不思議だなと思います。

貴重な人生を有意義に過ごそうと思い、高校時代はコンビニ、酒屋、テレアポなど10種類のバイトをしてさまざまな仕事を経験しました。このおかげで経営者や大人と話すことが多くなり、コミュニケーション能力が身につきました。

大学を辞めてからは、手に職をつけたほうがいいと考えて美容師を選びました。アシスタント時代も経営者になるつもりで仕事をしていて、教えてもらいながら「自分だったらこう教えるな」といったシミュレーションをしていました。

生意気なアシスタントだったと思います。まわりからのやっかみもありました。もちろん、気にはなりますが、わざとやっているので仕方ないと割りきっていました。

「非常識な結果」を生むためには「非常識な行動」が必要だと考えています。そして、行動すると「いい結果」と「悪い結果」の両方が出るので、「悪い結果」を我慢できれば「いい結果」だけが残ります。

つまり「非常識な行動」をしつつ、やっかみや非難などを我慢できれば、「非常識ないい結果」を得られるのです。金持ちになるためにはこの感覚が重要だと思います。

また、「非常識な行動」をするといいましたが、「人間性」は非常識であってはいけません。人間性は信頼関係に大きく関わるので大切です。

住谷:常に稼ぐことを考えていらっしゃったのですか?

竹之内:もちろんです。プロ選手になるために小学生は素振りを毎日します。目標のためにストイックに練習するのは当たり前だと思っています。

わたしはよくポジティブだと思われがちですが、もともとネガティブです。しかし、ポジティブなほうがいいので、努力してポジティブにしています。

窪田:ストレス発散も上手にやっていそうですね。

竹之内:仕事のストレスを発散する方法は、仕事をすることです。仕事で生じたストレスは仕事以外では発散できません。お酒やカラオケなど、ほかのことでストレスを解消しようとしても、結局は逃げているだけです。

窪田:ここまで聞いていると、とても強い人だなと感じるのですが、弱いところもあるんですか?

竹之内:もちろんありますよ。例えば、会社のように働く時間を決められると、仕事に行きたくなくなります。アルバイト時代も美容師時代も店長になってからも、仮病でよく休んでいました。今日も来るか悩みましたよ(笑)

住谷:来てくれてよかったです(笑)

事業の立ち上げは「スモールスタート」が鉄則

窪田:竹之内さんは事業を始めるとき「スモールスタート」を大切にされていると思いますが、その理由をうかがえますか?

竹之内:堅く、小さくスタートするのが当たり前だと思っています。お店で例えると、内装、看板のような見栄えの部分はあとから力を入れれば十分なので、最初は本質の部分だけに注力すべきです。

レストランであれば「おいしいものを出す」ことだけに集中する。パレートの法則というものがあって、「重要な2割が成果の8割をつくる」とされています。大事な2割の部分にだけお金をかけて、スモールスタートしてください。

窪田:竹之内さんが一緒に働きたいと思うのはどのような人ですか?

竹之内:サラリーマン、経営者どちらでも共通するのは「自分の給料以上の働き」をしている人です。そして、休みの日にも完全にオフモードにならずに、常にアンテナをはっている人です。

仕事の日は作業をしていることが多いので、休みの日のほうがふとアイディアが浮かびやすいです。わたしの場合、寝る前にベッドでくつろいでいると、アイディアを思いつきやすいです。夜中の1,2時に仕事が終わり、そこからいろいろ考えて5時くらいに寝ています。

窪田:現在いくつの事業に関わられていますか?

竹之内:今は20個の事業に関わっています。この2,3か月でも新たに4事業が増えました。アパレル、レンタルペース、ハウスクリーニングなどジャンルもさまざまです。

基本的には、すでに流行っている事業をリサーチし、やれそうだなと思ったら徹底的にまねをしています。わたしのファンや一緒に仕事をしたいと言ってくれる人から社長を選び、任せています。

窪田:いま一緒に仕事をしているのはどのような方々ですか?

竹之内:先ほどの話にもつながりますが、オンオフなく働ける人ですね。さらには、寝ても覚めても利益のことを考えられる人。あとは、わたしと仕事するには体力がいるので、結果的に若い人と仕事をすることが多いです。

役員クラスはやることさえやっていれば、好きな時間に働いてもらっています。社員は作業があるので、時間を決めて働いてもらっています。社員の中にはそのほうが働きやすいという人も多いですね。社員は失敗を恐れる傾向があるので、この時間働いていればOKとしたほうが安心みたいです。

子供がビジネスを学べる場所をつくりたい

窪田:失敗といえば、本の中で「仕事に没頭しすぎて奥さんが出て行った」というエピソードが載っていましたが、どのような状況でしたか?

竹之内:ある日、家に帰ったら奥さんが家財道具、預金通帳とともに消えていました。当時娘は0歳と6歳、今では17歳と23歳になり無事成長してくれて安心しています。

窪田:娘さんたちは竹之内さんをみて、どのように育っていますか?

竹之内:わたしは家で仕事の話をしないので、子供の頃はわたしの仕事が何かわかっていなかったと思います。最近はYouTubeや本で私の仕事を知り、理解してきたようです。仕事や進路の相談をされることも増えてきました。

窪田:学校ではビジネスについて学ばないという話がありましたが、学校生活について口出しすることはありましたか?

竹之内:いっさい口出ししません。一度、娘が金髪の男を連れてきたのですが、わたしは大歓迎でした。娘が選んだ人であれば信用します。

ただ、ビジネスの場合は別です。彼がビジネスを教えてほしいと言って訪ねてきたのですが、ピアスをつけていたので門前払いしました。ビジネスマンがピアスをつけていると、人間性を疑われかねません。信頼に影響するので、人間性を疑われる非常識は絶対にやってはいけないと考えています。

窪田:娘さんも含め、次の世代にやってあげたいことはありますか?

竹之内:ビジネスを学べる子供向けの塾をつくりたいと思っています。小学生から高校生までは、そもそもどんな仕事が世の中にあるのかを教えてあげたい。株の取引や事業も、概要の理解は小学生からできるはずです。それを中学生、高校生と成長する間に詳しく学ぶことでしっかり理解できるようになります。

「りらくる」を売却した270億円で20事業を立ち上げた

住谷:いろいろな事業投資をされていると思いますが、「りらくる」を売却して得た270億円はどのように使ったのですか?

竹之内:「りらくる」を270億円で売却したのですが、資産として手元に残ったのは100億円ほどでした。生きるのに困らないお金として10億は残し、残りは投資やビジネスに使っています。いま所有する20事業のうち、10事業はゼロから立ち上げ、10事業はM&Aで獲得しました。

そして「りらくる」を売却したあと、講演会の依頼などがたくさん来るようになりましたが、断っていました。「りらくる」という1事業の成功だけでは、自分のノウハウが本当に正しいのかわからなかったからです。

いずれ売却資金を使って立ち上げた事業が全部うまくいったら、自分のノウハウを発信しようと思っていました。現在、起こした事業のほとんどが成功したので、自分のノウハウを多くの人に共有したいと思っています。そのため、YouTubeや講演、出版などで積極的に発信するようになりました。

窪田:『無名の男がたった7年で 270億円手に入れた物語』というタイトルに「270億」という数字を入れたのは意図があるのですか?

竹之内:「270億」という数字はインパクトがあるので、目立つように入れています。まず目にとまり、手に取ってもらうことで本は買ってもらえる可能性が出てきます。 「りらくる」の看板が目をひくようになっているのと同じ仕組みです。

『無名の男がたった7年で 270億円手に入れた物語』は具体的なノウハウが詰まった一冊

住谷:『無名の男がたった7年で 270億円手に入れた物語』はどのような人に読んで欲しいと思いますか?

竹之内:誰でも楽しめる本になっています。仕事をされている方はもちろん、主婦の方も「ああ、こういう考え方があるんだ」と思うような内容になっています。

多くの本が抽象的な内容であるのに対して、『無名の男がたった7年で 270億円手に入れた物語』はかなり具体的に書いています。「書いてある通りやれば成功できそうだ」と思えるはずです。

実際にビジネスで成功する確率はかなり上がると思うので、起業する前の人の勉強や、すでに起業している人のブラッシュアップにもおすすめです。

本の中でも紹介している「TTP(徹底的にパクる)」は何にでも通用するノウハウなのでぜひやってみてください。大手企業もいろいろな成功モデルをまねしています。わたしの経験上、うまくいっているものをまねして失敗することはほとんどありません。

窪田:もしまた本を書いて欲しいと言われたら、何について書きますか?

竹之内:『無名の男がたった7年で 270億円手に入れた物語』にわたしの経験や知識をすべて書きました。この本を読んだら私のすべてがわかると言えるくらいに。なので、5年10年経って、新たな知見がたまってきたらまた書くかもしれません。

住谷:とても読みやすかったのですが、読みやすく書くコツはありますか?

竹之内:読み手の気持ちを常に考えることですね。途中途中で、原稿をFacebookで公開し、全員が面白いというまでブラッシュアップしつづけて完成しました。経営者の感覚でいけると思ったものは、大衆の感覚とずれていることが多いです。そのずれを修正するために、自分では完璧だと思ってもみなさんに聞くようにしています。

時間がかかるやり方ですが、わたしは効率化をあまり考えません。最初は不安要素を取り除くためにできることを徹底的にやります。大変だとしても、いいもの、結果の出るものをつくることを大事にします。まずは自分で100%のものをつくり、そこから人に任せていきます。
ほかにも、わたしが体験し学んできたすべてを『無名の男がたった7年で 270億円手に入れた物語』に書いたので、興味がある方は一度手に取ってみてください。


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